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  ナチュラル・スピードの基本

 先回触れた「ナチュラル・スピード」について、もう少し解説しましょう。

 確かに、1分1秒を争う状況は存在ます。  呼吸停止や毒ガス発生での脱出時、銃撃戦などの際には、それこそ、数秒の差が生死を分けることがあるでしょう。

 しかし、僕たちの日常生活の大部分は、もっと淡々としたものです。

 「映画のワンシーンのような」というフレーズがあります。 これなど、僕たちの日常が、映画と比べて見劣りしているかを指し示しています。

 毎日、劇的な大事件に巻き込まれるわけではありません。  ただ、間延びしたような時間が続いていきます。

   そして、そういう時には、それに相応しい時間感覚があるのです。  それが、僕のいうナチュラル・スピードです。

 ナチュラル・スピードは全力疾走ではありません。  自分にとって、最も気持ちよく、かつ息があがらず長時間、走れる速度のようなものです。

 これは、「電車と自転車のどちらが速いか」という話に通じます。  確かに最高速度で比べれば、自転車より電車の方が圧倒的に速い。

 そして、普通の人は、「最高速度」にこそ価値があると信じ込んでいます。そうではありません。淡々とした日常の中では、「最高速度」より「平均速度」にこそ、価値があるのです。

 「平均速度」や「どちらが先に目的地に着くか」ということにこだわれば、都内では、自転車の方が速い場合が多いのです。ここに気付くことです。

 仕事も勉強も、焦って全力疾走でやるより、自分の気持ちいいスピードでこなした方が、疲れがこないので、結果的に速く、量もこなせるのです。  

山田宏哉記

P.S. 映画の2時間には、無駄なシーンが1つもありません。反面、現実の2時間は、映画水準から見れば、無駄なシーンばかりです。

2006.11.24
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