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  自分探しは、「人生への絶望」に通ず

   理屈好きなフリーターの日雇い労働者の群れは言います。

   「日雇い労働は、すぐにお金が入る。自分の好きな日時に働ける。わずらわしい人間関係がない。文字通り汗水たらして働くことで、お金のありがたみがわかる。」と。

 さらに、「時間をかけて、"自分探し"ができ、"夢"を追いかけられる」と。

 このような空絵ごとに、ファウストとツァラトゥストラは、合唱して答えます。

 もういい。もう喋るな。ゴミどもめ。

 お前たちが現実を直視できないでいることは、よくわかった。

 日雇い労働特有の、殺伐とした人間関係や過酷な作業は心身に悪影響を与え、自尊心が保てず、自暴自棄になりやすい。

 さらに、身体を壊したら無収入。むろん、作業中に怪我などをしても、保障がない。世間体は悪く、社会的には軽蔑される。

 ついでに、日雇い労働では、技術・経験の蓄積が少なく、正社員との収入格差は開く一方。しかも、年々、お前の将来の選択肢は、着実に狭まっているのだ。

 おまけに、結婚もできず、下手すりゃ家も借りられない。これこそが、 「自分探し」の旅の本当の終着駅なのだ。君にもいつか、「自分探し」を後悔する日が来るだろう。    

山田宏哉記

追記。 我ながら、鮮烈なブラックジョークが炸裂しました。

2006.12.11

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