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  バカにしてはいけない職業(暴言あり)

    世の中には、バカにしてもよい職業とバカにしてはいけない職業があります。

 例えば、政治家や官僚やタレントは、バカにしてもよい職業の筆頭です。

 「政治家は、強欲で品性卑しい奴がなるものだ」とか「官僚は、偏差値エリートに過ぎないから、すぐ汚職をやる」などと公言しても、全く問題ありません。むしろ、そういうことを威勢良く言うと、拍手喝采を浴びたりします。

 反面、日雇い労働者やファーストフードやコンビニの店員をバカにするのは、決して許されません。

 「マックの店員なんか、アホな女子高生がやるものだ」(暴言度30%)とか「土方なんか、"三国人"にやらせておけ」(暴言度80%)などと言おうものなら、たとえそれが事実だとしても(いや、事実だからこそ)、おそらくその場が凍りつきます。

 職業には貴賎がありますが、実は賎しい側の仕事は、バカにしてはいけないのです。  これは、日本のタブーのひとつです。

 ですから、「悪徳弁護士」とか「ヤブ医者」「三文作家」などという言葉はあっても、「痴呆掃除屋」とか「ヘボ大工」などという言葉は、絶対にありません。

 鋭い人であれば、バカにされる職業の方が社会的地位が高く、バカにされない職業は、社会的地位が低いことに気づくはずです。  これは、庶民感情として、当然のことです。

 もし、政治家や官僚が賞賛されて、真面目に裏方として働く職業の人々がバカにされるのであれば、それこそ社会が根本のところから腐ります。

 しかし、一個人としてこれを見れば、例えば掃除屋の人たちは、結局のところ、騙されていることになります。

 もちろん、社会の建前としては、「"クリーン・スタッフ"は、お客様を喜ばせるサービスの最前線に立っている」となっています。

 ですので、掃除屋の人たちも、例えばゴミ箱を漁ったり、便器を磨いたり、嘔吐物を処理する自分の仕事にそれなりのプライドを持つことができます。

 ただし、例えば、好きな男性の条件として、「掃除屋」を挙げる女性はほぼ皆無でしょう。  将来の夢として挙げる子供も皆無です。  掃除屋経験者を積極的に中途採用したいという一流企業も皆無です。(あっ、ダスキンはそうか)

   それは、結局のところ、多くの人が、本音の部分では、「掃除屋は、取るに足らないつまらない職業だ。低学歴の貧乏人がやるものだ。少なくとも、自分は絶対やりたくない。」(暴言度90%)と思っているということの証明なのです。

 ですのでもし、あなたが立身出世を望み、異性にモテたいと思うなら、掃除屋であることに満足しては決してならないのです。むしろ、掃除屋である自分を恥じるべきなのです!(暴言度100%)

山田宏哉記

追記。 というわけで、僕の掃除屋をバカにする数々の発言は、タブーを打ち破り、真実を満天下にさらす立派な言論だったのです!(ウソ)

2006.12.23

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