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 「知恵をくれ」の傲慢

 「一見、頭がよさそうだけど、馬鹿」という人がいます。  というか、僕自身がよく叱られることです。

 どうにも、小脳と全身の動作をつなぐ神経のネットワークが、どうにも未熟で未発達なのです。  わかりやすく言えば「知恵遅れ」です。  「知恵遅れ」が問題表現であれば、「知恵をくれ」と表記しましょう。

 言語脳を中心に使っている人は、「知恵をくれ」になりやすい。  なぜかというと、言語は、傲慢で自意識過剰な気質を刺激し、増徴させるからです。

 「知恵をくれ」の人は、外面的には謙虚を装っていても、内心ではものすごく傲慢です。

 要は、周囲の人間が馬鹿にみえて仕方がない。  対して、自分自身は優秀極まりないと、陰に陽に主張するようになります。

 確かに、 「知恵をくれ」の人間は、知識や情報は大量に蓄えています。  無職の「知恵をくれ」でも、「現代社会がかかえる矛盾」などと、一端(いっぱし)の口を叩いたりします。  しかし、技術と経験の裏づけがありません。

   そして、技術と経験の裏づけがないという事実が、「知恵をくれ」たちの劣等感となり、逆に虚勢を張ることになるのです。

 仕事の実務能力も芸事も対人能力も人並み以下なのに、「どうして私はこんなに頭がいいのに、有名になれないんだ!」と不満を爆発させることになります。

 さらに、そういう自分の傲慢さに気付かない点こそが、「知恵をくれ」が「知恵をくれ」たる所以なのです。あぁ、耳が痛いな。

山田宏哉記

P.S. 言語脳を中心に使っている「知恵をくれ」たちには、日頃から音楽などの非言語的知性の文化・芸術に触れることが、是非とも必要です。

2007.10.6
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