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  研究夜話 「大道廃れて仁義有り」

 大学の演習で、日本人の美徳が話題になったので、「大道廃れて仁義有り」という評釈(コメント)をしました。

 もともとは、中国古代思想の話で、老子が儒家を批判して使った言葉です。  要は、「狄竜銑瓩箸い辰燭海箸声高に叫ばれるのは、道に外れたならず者が跋扈(ばっこ)するようになったからだ」ということです。

 狄竜銑瓩了彖曚蓮内容としてみれば、立派なことを言っています。  でも今日では、「仁義、仁義」とお題目を唱えるのは、狄竜銑瓩髪錣里覆ぅ筌ザ者ばかりです。

 ある時代、ある社会で美徳・美意識とされることは、実際にはその社会に根付いていない場合が多いのです。

 人は、恩を忘れる生き物だから、「報恩」が叫ばれるのです。  親に感謝しないから、「親孝行」が説かれるのです。

 誰かに対する信頼が揺らいだとき、「信頼は揺るがない!」と強調するのです。さらには、気持ちが冷めると「愛してる!」ですか。

 あるいは人間は、愚かな破壊と殺戮を繰り返してきたから、「人を殺してはいけない。平和万歳!」などと叫ばれるのです。

   これはぜひ覚えておいてほしい。立派な教説や価値観の裏には、おぞましい現実が横たわっているわけです。

 「テロ対策」の名のもとに、アフガニスタンの住民を空爆で殺傷する。  「不朽の自由」の名のもとに、エクソン・モービルはイラクでの石油利権を獲得する。

 まだまだあるぞ。素晴らしき「民主主義」は、狢臀(demo)支配政体(cracy)瓩里海箸世掘 みんなが大好きな「国際連合」は、燹並萋鷦\こβ臉錣寮鐓々饌Δ痢墨合(united)国(nations)瓩里海箸世掘 無私の精神で世に尽くす「公務員」といえば、私腹を肥やす怠け者の代名詞です。

 ついでに、某首相が唱えていた「美しい国」は、逆から読むと「憎いし、苦痛」となります。

 つまりね、社会に流通する立派なスローガンを頭から信じているような人は、常に騙されて馬鹿をみるわけです。なぜなら、犖斥佞砲茲觚充造諒款瓩海修、人が人たる所以だからです。

 というわけで、僕はなるべく猯派なことを言わない瓩茲Δ砲靴討い泙后  たいてい、猯派な言葉瓩蓮◆峺充造呂修Δ任呂覆い韻鼻帖廚箸い状況の上に理想論として成り立っているわけです。

山田宏哉記

P.S. この世の中、案外、爐△イ△イ△キ瓩閥びながら踊っている人間こそ、最も信頼に足るのかもしれませんよ。

2007.10.26
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