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  人間関係の初歩 顔と名前を一致させる

 田中角栄が出世できた背景には、出会った人の顔と名前を記憶していたということがあります。

 人間関係の初歩として、「相手の顔と名前を一致させる」ことの大切さは、意外と見過ごされているように感じます。見過ごしているのは、僕だけかもしれませんが。

 それでも、「一度、会った人の顔と名前は覚えるようにしなさい」と教育する家庭で育った子供と、そうでない家庭で育った子供には、社会適応性に天と地の開きが出るでしょう。

 「顔と名前を一致させる」などというのは、一見、幼稚園児向けの説教話ですが、ビジネスの最前線でも十分に通用する話です。

 「自分はもの覚えが悪いので…」などといって、記憶力の問題にすりかえて、人違いばかりしている人は、本物のボンクラです。これは「愛嬌」では済まない。

 「人の顔や名前を覚えるのが苦手で…」というのは、まともな大人なら、口が裂けても言ってはならない言葉です。

 他人の顔や名前を覚えることに疎い人は、要は本音の部分で、他人に興味がないのです。見識がある人は、この一点を決して見逃しません。

 社会を歩む上で、「あいつは、自分のことしか考えていない。他人に興味がない」と評価を受けることは致命的です。

 あなたは、「他人に興味がない」という人と友人になりたいと思いますか。一緒に仕事をしたいと思いますか。つまり隣人に疎い人は、誰にも相手にしてもらえなくなる、ということです。

   他人の名前を大切に扱わなかったことで、自分がいかに損害をこうむってきたかは、本人にはわかりません。わかったら、即刻、態度を改めるはずだからです。

 こういう人間関係の初歩は、「これからは、コミュニケーション能力の時代!」とばかりに、NOVAに通って痴呆的英会話に勤しむよりも、百倍は大切でしょう。

山田宏哉記

P.S. 自戒をこめて、あえて言っておきます。

2007.11.8
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