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  口述 『おもしろい話」についてのつまらない話

 一足先に「『おもしろい話」についてのつまらない話」の音源をアップロードします。

 人前で「おもしろい話」をするのは、難しいものです。  僕たちは大抵、いざステージでマイクを手にしたとき、「ありきたりの話」か「奇をてらった話」のどちらかしかできません。

 そんな中、どうすれば聴衆の気持ちをつかむことができるか。  万人向けの解決策は用意されていません。  

 確かに、誰でも動物の鳴き声を真似したりすれば、簡単に笑いをとることができるかもしれません。

 ただ、「ウキキキキィー」とか奇声を発するという手法も、すぐにマンネリ化してしまいます。

 また、口調や喋り方は、素養やセンスが必要で、本人の努力だけでは改善が厳しいでしょう。かといって「鶏肉を取りに行く」といったダジャレに頼るのは、もっとダメです。

 そこで、僕が勧めているのが「知識・情報としてインタレスティングなものをトークの中に盛り込む」というものです。

 「骨を強くするためには、豆腐を食べろ」とか実生活でも役立つ情報を、話に混ぜておく。そうすると、発声はイマイチでも、聴衆は耳を傾けてくれます。

 しかもこの手法は、努力が実りやすいし、積み重ねが効くわけです。

 知識をひけらかすのは美徳ではないけれども、それは他人にひけらかすに足る知識も情報も持っていない人が言うべき台詞ではありません。

 落語やお笑い的なおもしろさに注目しながらも、人前で喋ることに苦手意識がある人は、情報の大量インプット&アウトプットの勝負に持ち込むと、有利だと思います。

  山田宏哉記

P.S. 現実問題として、落語やお笑い的なおもしろさの追求は、下手をすると、ただ悪い癖を身につけるだけに陥りがちです。そもそも「ウケ狙い」をすること自体が、発想の硬直性を指し示しています。

2007.11.16
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