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  口述 女性は存在するだけで

 「生きているだけで素晴らしい」というような話を聞くことがあります。  「確かに、その通りだな」という思いつつも、何か違和感があります。

 そこで、「女性は存在するだけで」というお喋りをしました。

 「男だから、女だから」という話はあまり好きではありませんが、一言いいたいことがあります。

 「生きているだけで素晴らしい」というのは、女性に関しては、全くその通りだと思います。ただ、男に関しては、半分は当てはまりますが、半分は当てはまらない。

 男性は、常に「何をなしたか」ということが問題になります。「成績がよいから誉められる」とか「お金を稼ぐから、偉い」というように、何らかの条件付きの承認や敬意、愛情しか受けないことが多いものです。

 だからこそ、男が社会的に落ちぶれたりしたら、スーっと周囲から人が去っていく。常に自分自身が世の中にとって、有益な存在であることを証明していかなくてはいけない。

 なかなか、「無条件の愛情」というものを受けられないのですね。

 その点、女性はただ存在しているだけで、値打ちがあるように思います。偏見かもしれませんが。

 時折、僕も「無条件に愛されたい」と思うことがあります。「能力が高いから」とか「教養があるから」とかではなくて、無条件に存在を肯定してほしいと思うことがあります。

 ただ次の瞬間には、「そんな贅沢を言っても仕方ないな」と思い返して、技術を磨くために研鑽に励むわけです。  

  山田宏哉記

P.S. 僕自身、なるべく「ギブ&テイク」とか「条件付きの優しさ」ではなく、無条件に相手に献身するように心がけていますが、言うは易し、行うは難しですね。

2007.12.7
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