ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1853)

 超高性能コンピュータが紙でできていたら

   久しぶりに柔軟体操をやったら、驚くほど、身体が硬くなっていて反省しました。これでは、言語系の神経細胞の発達に、身体がついていけていません。

 ここらで生活を底上げして、身体を鍛えなくてはいけません。

 もっとも、格闘の試合で勝つためのトレーニングをするつもりはありません。それでも、基本的な柔軟性と体力、免疫力、そして神経系ネットワークの増設・迅速化は、パフォーマンスを最大化する上で必要不可欠です。

 人間生活がデジタル化、サイバー化する中で、犒鮃瓩硫礎佑呂泙垢泙更發泙辰討い泙后

 膨大なオンライン・ストレージを駆使して成果を上げていても、病気で寝込んだら、大幅な後退は避けられません。どんな天才も、街のチンピラにナイフで刺されて殺されたら、それで終わりです。

 人間の知的能力は、間違いなく拡大しています。デジタル機器を駆使すれば、情報を脳に直接送り込むようなことも可能な時代になりました。ただしこれらは、人が健康体であることが前提です。

 頭脳の進化に比べて、生身の身体が不具合を起こすリスクは、相対的に大きくなっています。

 非人間的な言い方ですが、ビルの工事現場で働く肉体労働者が事故で死んでも、代わりはいくらでもいます。

 ところが、極めて高いパフォーマンスをあげている知的な人材は、替えがききません。知性は超人的なのに、身体は人間であるために、ちょっとしたことで死傷します。

 超高性能のコンピュータが、紙とかガラスでできていたらどうでしょう。みんな濡らしたり、割ったりしないように細心の注意を払うでしょう。「そんな大事なものなら、もっと頑丈な素材で作れ」と思うでしょう。

 人間はまさに紙でできた超高性能のコンピュータです。その能力に比べて、ハード面の耐久性が恐ろしく弱いのです。

 例えば、人間をビルの7階から落としたら、あっけなく死にます。街にあふれる自動車や電車と接触するだけでも、死傷します。空気を数分間吸わないだけで、脳に不可逆的な損傷が生じ、果ては死亡します。

 挙句、コンニャク畑をノドに詰まらせて死ぬ人までいます。

 この生物学的な弱さは、人間が可能性を開花する上で、強力なボトムネックになっています。もっと、生身の身体のメンテナンスに気をつかわなければ、罰が下ります。

 タバコや飲酒、ジャンクフードは全面禁止。柔軟体操や基礎体力作りは欠かさないくらいの心構えを持ったところで、決して損にはなりません。変に読書するより、身体を動かした方が有益である場合も少なくありません。  

 というわけで、開脚読書やシリコン・オーディオを利用した武術の稽古を再開しようと思います。やはり、座して喀血を待つわけにはいきません。  

 追記.以上、大切なことを思い出しました。 

山田宏哉記

 2008.10.19
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