ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1857)

 タフになる新入社員の条件

 残業から職場酒の問題まで、「組織で働く」ということに対しては、色々と物申したいことがあります。それでも、会社の業務を通して、自分自身の実力が上がっているということは、認めざるを得ないかもしれません。

 今、新入社員に求められる条件は、とても厳しくなっています。特に、情報処理速度と数理的思考力、学習能力の高さは、必須です。

 例えば、学生時代にエクセルをやっている必要はありませんが、教えられたらすぐに使いこなせるようになる能力は必要です。3回同じことを注意されたら、もう相手にされなくなるという覚悟が必要です。

 僕自身、同じことを2回言って改善の徴候がない人には、それ以上言いません。また、この態度が優しさや思いやりに基づいているわけではないことは、今更、言うまでもありません。

 また、膨大な情報に複数のフィルタをかけて、スプレッドシート上で、比率や平均、最大値・最小値などを漏れなく求めて、集計する能力なども必要です。正直、適性に欠ける人には相当、厳しいと思います。

 現代は、恐るべきIQ(知能)社会です。企業が、もともと知能指数や学習能力が高い人を採用する傾向は、どんどん強まっています(「専門知識を持っている人」ではないことに注意)。

 学歴社会から学力社会、そして学習能力そのものが問われる社会へと様変わりしていています。最適なアルゴリズム(計算方法)そのものを考え出すためには、否応なしに高度な知能が必要です。

 30歳までフリーターをやっているような人材が敬遠されるのも、頷けます。おそらく、学習能力がついていきません。掃除屋のように、ひたすら床を磨けばいいというわけにはいきません。

 企業は教育機関ではありません。日本語の読解能力に欠けたり、比率計算や統計処理の基本もできないような人間を、正社員として1から育てる義務はないのです。

 僕も会社では、データの処理方法などで、詰め将棋のように考えなければならないことが多く、脳が疲れるので、糖分は欠かせません。こういう時、蓄積された知識は、ほとんど無力です。

 そういうタフな空間で、曲がりなりにも生き延びていると、やはり自分の能力に磨きがかかっていているとは感じます。特に、実務方面で開発された能力は、文筆劇場を製作する上でも、大変、役に立っています。悔しいけれども。

 追記. 上記のような事情は、「正社員の数は、少なくても構わない」ということにもつながってきます。あぁ、恐ろしや。 

山田宏哉記

 2008.10.23
 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ