ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1861)

 映画文化人への道/『太陽』『モレク神』『牡牛座』

 池袋の新文芸座のオールナイト上映に行ってきました。

 アレクサンドル・ソクーロフ監督の20世紀3部作( 『太陽』『モレク神』『牡牛座 レーニンの肖像』)が一挙に上映されるということで、駆けつけました。ソクーロフの映画を観るのはこれが始めてでした。

 特に、『太陽』は人間としての昭和天皇の苦悩を描いていて、話題になっていたので、機会があれば観たいと思っていました。

 歴史的な知識がなくてもたぶん楽しめるけれども、歴史的な知識があればより楽しめます。ただし、「マッカーサーって誰?」という程度の知識水準では、肝心なことは何もわからないでしょう。

 例えば、『太陽』においては、天皇がダグラス・マッカーサーと会見するシーンがあります。

 とはいえ、昭和天皇やマッカーサーの人となりや業績が映画の中でいちいち説明されることはありません。その程度のことは、観客が既に知っていることが前提です。

 また、マッカーサーと昭和天皇が並んで撮った写真が日本国民に与えた衝撃の歴史的な経緯などを知っていれば、より深く楽しむことができます。

 その上で、『太陽』の見新しさといえば、大日本帝国皇帝の裕仁をかなりコミカルに描かれていることでしょう。金魚のように口をパクパクさせて、重要な案件も「あっ、そう」で済ませてしまうのは、観客の失笑を買っていました。

 外国の監督だから撮れたわけで、日本人監督が撮れば、不敬罪で逮捕されそうな描き方です。ただし、昭和天皇に対する悪意は感じられません。日本人が観るべき映画の1つでしょう。

 ソクーロフの映画を3本連続で観ながら、錯覚かもしれませんが、「僕はこれでも文化人だなぁ」と我ながら思いました。

 今は、会社の業務に時間を食われて、週末くらいしか映画を観られないけれども、毎週オールナイトで3〜4本を観れば、年間100本以上に達します。何はともあれ、もっと映画を観なければならないと感じました。

 来週の新文芸座のオールナイト上映は鬼才ペドロ・コスタ監督の『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』です。こちらも文化人向けの映画なので、ぜひ行きたいところです。

 追記. 来週の新文芸座のオールナイト上映は鬼才ペドロ・コスタ監督の『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』です。こちらも文化人向けの映画なので、ぜひ行きたいところです。。 

山田宏哉記

 2008.10.26
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