ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1865)

 アウトプット志向の学習法

 人間社会での評価は、その人のアウトプットによって決まると言われます。

 では、アウトプットという言葉を平易な日本語に訳すると、どうなるでしょうか。「出力」ではあまりに堅苦しく不自然です。

 この文脈で言うアウトプットとは、他人の眼に見える成果・業績のことです。成果・業績という部分より、「他人から認知された」という修飾語の方が重要です。

 効率のよい学習方法のためには、進捗状況を他人の眼にさらすことが、ぜひとも重要です。

 例えば、楽器の練習をするなら、演奏会の日程を予め決めてしまい、友人なども招待してしまう。

 普通の人は、楽器の腕が上達したら、「そろそろ演奏会などにも挑戦しよう」と考えます。これでは本末転倒です。演奏会を開くことによって、楽器の腕をあげざるをえない環境を作り出すことが重要なのです。

 反対に、楽器の演奏をするのに、音楽理論の勉強から入る人は、いつまでたっても演奏会を開くことができないでしょう。インプット志向の学習法とも言えます。

 まずは、現実や事象そのものと格闘する。その反省を次に活かすためにこそ、勉強する。

 現実世界と戦う前に予習するよりも、現実世界と戦った後に復習する方が、同じ勉強時間を投下するにも、大きな収穫を得られます。勉強から入るのは、大きく見ると非効率です。ビジネス界のできる人は、このことを本能的に知っているような気がします。

 むろん、インプットとアウトプットが明確に区別できるとは限りません。また、アウトプット志向の学習法が適切とはいえないケースも存在しますが、身につけておいた方がいい学習法のひとつだと思います。  

 追記. スプレッド・シートなどの技能習得には、特にアウトプット志向の学習が有利だと思います。 

山田宏哉記

 2008.10.28
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