ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1867)

 職場の休日

 出版社で編集アルバイトをしていた頃、休日の土曜日に、印象的な光景を目にしました。  

 普段は、スーツを着て、バリバリと外回りをしていた営業担当の方が、土曜日には私服で自分の席でカタカタとPCで作業をしていたのです。

 「あぁ、そういうことだったのか」と一瞬で納得がいきました。

 その方は、月曜から金曜の定時までは、ほとんど席にいませんでした。その時間にPCで事務作業をするのは、あまりに時間の使い方としてもったいないと思われたのでしょう。ひたすら、営業活動としてお客さんの所を回っていたのだと思います。

 とはいえ、ビジネスパーソンである以上、PCでの事務作業や情報収集といったことも、避けて通るわけにはいきません。だから、休日である土曜日を、そういったことにあてる。そしてたぶん、営業の仕事そのものが好きなのです。

 普段、普通の人が休んでいる時間にしかできないことというのは、確かに存在します。その意味で、一度、自分の職場を休日に覗いてみるということはなかなか貴重な体験です。

 僕自身、情報収集や勉強は、土曜日に集中的に行うようにしています。正式な会社の業務ではないけれども、やるとやらないのでは、長期的に見て、必ず差がつくものと信じています。

 むろん、「差がつく」というのは、牴饉勸として瓩箸いΩ堕蠅気譴疹況を指して言っているわけではありません。

 おそらく、ビジネスパーソンとして優秀か否かという問題は、本音の部分で「仕事が好きか、嫌いか」という問題に帰着します。仕事が嫌いな人にとっては、休日出勤やビジネス雑誌を読むことなどは、苦痛でしかないでしょう。

 色々と不本意なことがあったけれども、僕はたぶん、今の仕事も好きです。休日の職場を覗いて、ふとそんなことを思いました。  

 追記. 僕にとっては、過労死の原因は、長時間労働よりも、人間関係と仕事が嫌いという点にあることは、自明です。 

山田宏哉記

 2008.11.1
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