ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1868)

 潜在能力の不利をどう逆転するか

 為末大(著)『日本人の足を速くする』(新潮新書)を読みました。

 僕たちは、陸上のトラック競技に対して、素質が大きくモノを言うというイメージを抱いています。つまり、骨格や腱や筋力の性能如何によって、陸上の競技能力は大きくは決まってしまうというわけです。

 為末は、条件付でこの考え方は「正しい」と認めています。  事実、日本人さらには黄色人種は、いまだ100メートル走で9秒台を出していません。

   では日本の短距離走の選手が、例えばウサイン・ボルトに比べて、気合や根性やトレーニング量が不足しているかというと、そうではないでしょう。先天的なエンジンの馬力そのものに差があることを否定する人はいないと思います。

 陸上トラック競技の猯等民族瓩任△詁本人が世界に伍して戦うためにはどうすればよいか。為末が選んだ道は、400Mハードルでした。

 フラット(ハードルなしなどの障害物なし)でのポテンシャル(潜在能力)でハンディを抱える分、習得可能な技術が介在する余地が大きいハードルを選ぶというのは、示唆するところが大きい。

 圧倒的な才能を持たない人間は、技術の要素が大きく、狒躪舂廊瓩両”蕕砲覆詈野を選んだ方が有利です。

 例えば、大学受験では、極端な得意科目を持たない人は、科目数を増やした方が、負担は大きくなりますが、狒躪舂廊瓩両”蕕砲覆襪里如確実に合格できるようになります。

 ちなみに、ウェブ製作や文章能力というのは、400Mハードル以上に、技術の介在する余地が大きく、狒躪舂廊瓩両”蕕砲覆蠅泙后これはポテンシャルに欠ける僕にとって、格好の土俵です。

 また、専門的な身体操作や身体構造に関する記述も含まれているので、身体能力の開発がおざなりになっている僕にとって、いい奮発剤になりました。  

 追記. 北京オリンピックでは残念な結果でしたが、為末は偉大な日本人アスリートであるという認識を新たにしました。 

山田宏哉記

 2008.11.1
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