ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1871)

 ジャパニーズ・ドリームの終焉―小室哲哉氏逮捕

 マスコミ報道によると、小室哲哉氏が逮捕されたそうです。普段は芸能ニュースには全く興味がないのだけど、この件に関しては、触れないわけにはいきません。  

 僕たちの世代が、ちょうど中学生で多感だった頃、小室哲哉氏は、カリスマ的な人気を誇っていました。「小室ファミリー」と言われた安室奈美恵、華原朋美、globeなどのアーティストが、ミリオンヒットを連発していました。  

 まだ、携帯電話を使っている使っている生徒はいませんでした。僕たちが中学校を卒業する頃、爛櫂吋戰覘瓩全盛期を迎えました。  

 僕は、最新のシンセサイザーを駆使した小室の音作りが、あまり好きではありませんでした。ギターとベースとドラムの音以外は、猊埆祗瓩世隼廚辰討い燭茲Δ弊瓩あります。  

 それでも何曲か、好きな楽曲がありました。何より、安室や華原やglobeの曲を聴くと、反射的に中学時代を思い出してしまいます。  

 小室が音楽ビジネス界では、携帯電話やインターネットが普及する直前にピークを迎えたということは、どこか示唆的です。  

 僕は今、音楽CDを買わなくなった。中学・高校時代は、何千円というお小遣いをすべてといっていいくらいCD代にあてていたにもかかわらず。そして僕たちは、小室哲哉氏の作品を必要としなくなった。  

 だからこそ、僕は今、無性に小室氏を擁護したい。音楽の才覚ひとつで一世を風靡した彼に敬意を表したい。

 おそらく、小室の才能は、昔から今に至るまで、さして変わっていないと思う。ただ、それを受け止める周囲の環境があまりに激変したのです。時代の寵児は、時代に食い殺された。  

 近頃の小室氏が何をしていたのか僕は知らない。ただ、彼の困窮ぶりを耳にするにつれ、苦虫をつぶしたような感情を覚えます。あぁ、ジャパニーズ・ドリームは終わったのか、と。  

 追記. ちなみに、小室哲哉氏は、僕の大学の学部の先輩にも当たります。 

山田宏哉記

 2008.11.3
 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ