ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1896)

 国境なき世界―年収2万ドルという世界標準  

 世界最大の小売チェーンであるウォルマートの従業員(全世界で1800万人いる)の平均年収は約2万ドルとされています。時給換算すると約10ドルとされています。 アメリカの最低賃金のスレスレの報酬です。これがひとつの基準と言えるでしょう。

 何を言いたいか。特に可もなく不可もない人材の場合、世界的に年収2万ドル以下の報酬に収束していくことだろうということです。中国とインドの安い労働力がグローバルマーケットに進出することを考えても、「普通の人」の年収が2万ドルを超えることは、当分、先のことになるでしょう。

 重要なことは、日本人もこの流れから無縁であることはできないということです。

 日本で普通のフリーターをやって稼げる年収の上限も、だいたい200万円くらいです。時給\1000×1日8時間=日給\8000。週5で月20日働いたとして、日給\8000×20日=月収16万円。これを12ヶ月続けたとしたら、16万円×12ヶ月=年収192万円。示し合わせたような数字だとは思いませんか。

 掃除屋時代、フリーターとして月20万円以上稼いでいる人もいましたが、3つのアルバイトを掛け持ちして、睡眠時間は3時間というような生活で、明らかに破綻していました。

 さて、ごく近い将来、普通の日本人は中国人上司の下で働くことになるでしょう。エリート層の若手中国人と普通の日本人では、能力面で全く比較になりません。

 これまでは、日本企業が″中国の安い労働力瓩魑瓩瓩特羚颪某塀个垢觧代でした。しかし、堀紘一さんも著書に書かれていましたが、これからは中国企業が"日本の安い労働力瓩魑瓩瓩董日本進出を加速させるでしょう。

 非正規雇用等にあえぐ日本人は、中国に出稼ぎにいくか、外資系の中国企業で安い賃金で働くという選択を迫られることになるでしょう。

 この潮流を止めることはもはや不可能です。

 日本の小中学生の皆さん。君たちの同級生のほとんどは、年収2万ドルで最低賃金ギリギリの生活を強いられることになります。

 ただし、抜きんでた能力を持った生徒であれば、将来5万ドル、10万ドル、100万ドルと高額の報酬を勝ち取ることができるでしょう。日本人の学力は世界的に見て劣っていますから、偏差値でいえば65以上は最低条件でしょう。

 これが理想に燃えた人々が夢見た「国境のない世界」の実像です。単に日本に生まれたというだけで、莫大な既得権益を得られていた時代は終わりを迎えています。

 まさに、弱肉強食。何という希望と絶望に満ちた世界でしょう。ワークアホリックで強者を自認する僕としては、どこかでこんな世界を待っていたような気もします。

 追記. 猜針泙離汽薀蝓璽泪鶚瓩旅佑方からは、少々逸脱しているように見えるかもしれませんが、たぶん気のせいです。

山田宏哉記

 2008.11.23
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