ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1912)

 ジオシティーズは熱かった

 ポッドキャスト「藤沢久美の社長トーク」を聴いていて「ジオシティーズ」という単語が出てきたのでハッとしました。

 僕が初めて自分のウェブサイトを開設したのは、このジオシティーズでした。2001年のことです。容量は確か10メガくらいでした。

 無料で自分のウェブサイト用のスペースがもらえるということで、当時としては革新的なサービスだったと思います。曲がりなりにも"自分の城(言論空間)"がもてたということで舞い上がったものです。

 何しろ、それまでは自分の考えを公衆に問おうと思ったら、雑誌などに投稿するしかなかったのです。月刊誌なら月1のペースで、しかも毎回掲載される保証はどこにもありません。

 つまり、社会に対してオピニオンを発することができるのは、有名人や学者やマスコミ関係者に限られていたのです。

 これは僕にとって、どうしようもなく息苦しいことでした。いや、僕だけじゃない。地位も名声も金銭も持たない野心的な若者にとって、メディアを持たないが故に世相に対抗することができないというのは、閉塞感そのものとしてのしかかってきました。

 普通の庶民が作るウェブサイトは、大抵、ゴミ同然の情報価値しかありませんでした。今でもそうです。一度見たら「もういいや」と思うサイトがほとんどです。

 しかし、そんなことは問題ではない。能力と技術次第で、自分のメディアを行使する道具が得られたということが決定的だったのです。これは直感的に既存の権威や世相に抵抗するための武器になると確信しました。

 そんなわけで「ジオシティーズ」と聞くと、そんな原点を思い出します。

 当時は、ブログやミクシィが登場する前で、ウェブサイトを作っている人同士で、奇妙な連帯感があったような気がします。

 ただし、やたらURLが長いということと無料故の広告掲載がネックになって、僕はジオシティーズから去ることになります。

 追記. ジオシティーズは今もありますが、よくも悪くも「あの頃とは違うな」と思います。

山田宏哉記

 2008.12.3
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