ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1926)

 もしも僕がニートだったなら

 先回、「もしも僕がフリーターだったなら」という設定で生存戦略を考えてみました。しかし、アルバイトをしてお金を稼ぐことができるというのは、制約として甘かった。

 仮定法で思考するとき、ほとんどの人は「もし、今より良い境遇であったなら…」と夢想します。

 曰く「もっとカネがあれば○○が買えるのに…」とか「もっと身長が高ければ芸能人になれたであろうに…」などと言った具合です。

 しかしこれらは単なる夢想であって、思考力を鍛えたり、生きるための知恵に気付くためには、ほとんど役に立ちません。

 むしろ思考力を鍛えるのは、「もし、今より悪い境遇であったなら…」と想定することです。厳しい制約の中でいかにベストを尽くすかという知恵と戦略は、その制約がとっぱらわれたときにも役に立ちます。

 例えば、「もしも、無実の罪で逮捕されたりしたら…。もしも自動車にひかれて五体満足でなくなったら…。もしも会社を解雇されたら…」果たしてどうするか。いずれもあり得ない話ではありません。

 ですので今回は、僕がアルバイトもできないニートだったなら、人生をどう展開するかという仮定で話を進めたいと思います。

 もし僕がニートだったなら、まずは"セドリ"で日銭を稼ぐことを考えます。中古の商品で市場価格よりも極端に安いモノを仕入れて、別の中古品店に売って利鞘を稼ぐという手法です。

 僕は中学時代と高校時代、中古のCDや漫画本でお値打ち品のものを買って、別の中古屋に売って、お小遣いを稼いでいました。\200で仕入れた商品が、\300で売れるととても嬉しかった記憶があります。

 利鞘はたったの\100でも「自分の力でお金を稼いだ」という満足感は、他では得がたいものがあります。

 今は、インターネットの発達によって、中古品の市場にも大体の相場が成立しているので、安い店で買って、買い取り価格が高い店で売るという手法は成立しにくいでしょう。

 その代わり、ネットオークションなどで直接、個人に対してモノの売買ができるようになりました。例えば、ブックオフの\100均一でお値打ち品を見つければ、ほぼ確実にそれ以上の値段で売ることができます。

 利益率が低いのでやる人が少ないですが、僕のようなニートにとってはよいお小遣い稼ぎになるでしょう。

 さらに言うなら、それら"セドリ"のノウハウを文章にまとめて、主婦やビジネスマン向けの「副業」として紹介するのもありだと思います。「SPA」などが好みそうな記事も書けそうです。

 ちなみに、アルミ缶拾いなどは、丸1日やって\500いくかいかないかだったはずなので、これは野宿者やホームレス向けです。さすがにニートのやることではないでしょう。

 しかしここはあえて、奇をてらって戦略的に「ホームレス体験記」を書いてみるというのも、一つの選択肢だとは思います。  

 追記. とりもなおさず、ニートとベンチャー企業の企業の経営者って、実はとっても似たもの同志なのではないでしょうか。

山田宏哉記

 2008.12.10
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