ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (1942)

 東京―such a beautiful desease―

 天才音楽プロデューサーの小室哲哉氏は、かつて「僕のナショナリティ(国籍)は東京だ」と言っていました。これが「僕のナショナリティは埼玉だ」では、様になりません。

 東京がある意味、猊造鵑静垰圻瓩任△襪海箸牢岼磴い覆ぁノラ・ジョーンズもニューヨークを「such a beautiful desease」だと唄っていました。それでもなお、そしてまた、僕は東京が好きです。

 この情報革命の時代にあっても、「どの街に住むか」ということは、相も変わらず人間の人格形成にとって、大きな意味を持っています。

 僕にとっては、高田馬場に住んで、新宿近辺で生息していた大学時代にこそ、僕の基本的な骨格が形成されたといっても過言ではありません。

 例えば、新宿の歌舞伎町など、いかがわしさ満点ですが、西口のオフィス街と見事なコントラストをなしていて、新宿全体として調和が取れているといえば、調和が取れています。

 さて、歌舞伎町の風林会館周辺には、人殺しを何とも思わないような中国人の蛇頭(マフィア)どもがたむろし、日本のヤクザが事務所を構えています。この風林会館1Fのパリジェンヌという喫茶店があるのですが、結構、僕のお気に入りの店です。

 蛇頭が日本のヤクザを射殺するなど、幾度となく流血事件の舞台ともなっていたはずです。

 ですので、パリジェンヌで食事なぞをしていると、周囲には明らかに堅気ではない風体の人が多く、いつ事件が発生するかわからず、自然と緊張感が出るので、読書などもはかどります(読者には勧めません)。

 郊外の安全な住宅街よりも、歌舞伎町のような不健全な場所の方が、僕にとっては居心地がいいような気がします。常に危険と隣り合わせのスリルを味わっていたいというのは、何とも因果な性格ですね。

 追記. もちろん、僕は純粋な堅気で平凡なサラリーマン(趣味は読書)です。念のため。

山田宏哉記

 2008.12.22
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