ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2311)

 組織人にとって自由とは何か

 9月の大型連休以降、ずっと続いていた連日連夜の長時間の宮仕えに、ようやく一区切りがつきました。迫り来る大型のトラブルと、〆切の嵐に翻弄され続けました。

 組織で働くということは、色々と厳しい面もありますが、経済的な安定という面から見れば、やはり恵まれていると思います。

 仕事のパフォーマンスとは一端分離した形で、毎月の給与が支払われるというのは、組織人ならではのことです。

 個人事業主であれば、来月の売り上げが、今月の半分になったとしたら、収入の激減は避けられません。下手をすると生活が破綻します。

 まっとうな組織であれば、売り上げが減少しても、とりあえずの給与を支払い続けることはできます。

 「組織人には自由がない」ということが、よく言われます。ただし、目の前の収入(生活)に一喜一憂する必要がないという点において、仕事そのものに対して専念できるというのは、ひとつのメリットでしょう。

 今更言うのも野暮ですが、僕が好き勝手にウェブサイトを運営しているのは、経済的な基盤があるからです。

 もし僕が経済的自立をするだけの収入に事欠くとしたら、ウェブにもアフィリエイトを貼りまくって、提灯記事を書き散らす羽目になるでしょう。

 業者としてあえて書いておくけれども、文章の本文にアマゾンへのリンク(この専用リンクを辿って訪問者がアマゾンで商品を購入すると、ウェブ管理者に一定のキックバックが行われます)が貼られているウェブサイトは、あまり信用しない方がいいと思います。

 要するにこのウェブ管理者は、お金が欲しいだけなのです。まぁ、ほとんどの人はそうなのでしょう。

 だからこそ、思う。一般イメージとは逆に、飯を食うために不本意な仕事に手を染めなければならないのは、むしろ個人事業主の方ではないか、と。

 また、もし僕が、個人として今と同じだけの収入を得ることができるか、と問われれば答えは完全に否です。昔から言われてきたように、日本人は組織の看板を信用するのであって、個人の信用力などないも同然です。

 そしてやはり一人の個人としては、この現実を受け止めるところから始めるしかないのではないでしょうか。

   追記.  ただし、社会的な影響力は別です。ウェブサイトを運営する人にとって特に当てはまることですが、組織で働くよりも、ウェブに書きたいことを書いた方が、案外、社会にインパクトを与えることができます。

山田宏哉記
 
 2009.10.10
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