ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2315)

 絶望せよ、下層貧民の若者たち

 週末・深夜0時頃の池袋駅には、下層貧民の若者たちがたむろしています。

 あるいは、電車の連結部分にへたばり込んで、無気力に携帯電話の液晶画面に見入っています。

 まさにこの競争社会から弾き出された敗者の姿です。そして今、東京にスラム街が生まれようとしています。

 彼らはきっと年収200万円にも届かないアルバイトをしながら、ウェブの世界では、俄然、愛国者でも気取って、"日本の弱腰外交"を批判し、"陰湿な在日外国人"を糾弾し、これ以上の"外国人労働者"の受け入れに強固に反対でもしているのでしょう。

 「哀れ」としか、言いようがない。

 ナショナリズムというのは、その国の最底辺の人間に蔓延する麻疹のようなものです。もはや、日本国籍を所持していることにしかプライドを持ち得ないというのは、悲劇そのものです。

 そうだよな。5年前にはバカにしていた吉野屋の外国人アルバイトと、まさか日本人である自分が職を争う羽目になるとは、想像もしていなかったことでしょう。

 でも、そんなねじ曲がった彼らを幹部候補として雇おうという組織は、おそらく皆無でしょう。

 思うに今、組織の中で活躍している型の若者は、「仕事があるだけありがたい」という素直な考え方の人たちです。実際にこの言葉を聞きましたし、僕自身、知らず知らずのうちに使っています。

 今は、「素直で、地頭がよく、向上心がある」というのが、まともな企業でコア人材として働くための最低条件です。さらに言うなら、このハードルはどんどん上がってきています。この条件を満たすことができる若者は、おそらく全体の10%未満です。

 ほとんどの若者は、素直ではないし、頭は悪いし、向上心もありません。昔はそういう凡人でも何とか食べていけましたが、これからは厳しいのではないでしょうか。

 社会にあぶれてトラブルの火だねとなることでしょう。

 よく言うように、中国人上司の下で、年収2万ドルで働くのが関の山となるでしょう。

 下層貧民の若者たちは、深夜の池袋駅を徘徊し、ウェブで自意識を炸裂させ、さらに重症化すれば、高層マンションからのダイヴや、自爆テロでも企てるようになるのでしょう。

 絶望せよ、君たちに未来はない。こうなれば、いよいよ日本そのものにも未来はありません。

   追記. ではそんな社会から必要とされない若者はどうするか。中華帝国の建設のために、発展途上国で強制労働をするのが、ひとつの意義ある死に方ではないでしょうか。

山田宏哉記
 
 2009.10.12
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