ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2321)

 いざ、自転車で羽田空港へ

 特に目的地を決めずに自転車を走らせて、羽田空港に行ってきました。ニュースの影響もあったかもしれません。

 ご存じの通り、羽田空港近辺は、京浜工業地帯として倉庫や工場が林立してるような場所なので、住宅のような生活空間が一切ありません。

 また、空港周辺の道路は、ジョギングをしている人を時々見かけるくらいです。

 空港周辺では大規模な工事が行われていて、羽田空港こそが日本を代表する国際空港になることは、既に決定済の事項であるかのように、肌で感じました。

 僕はミヤタのクロスバイクに乗っていますが、自転車出走っている間は、大腿部の筋肉のゆらぎに集中して、軽い瞑想状態に入っています。

 いつも仕事(≠会社の業務)のことばかり考えているので、「余計なことを考えない」というのは、僕にとってとても貴重な時間です。何しろ、夢でまで仕事をしています。

 ただ数時間、自転車を走らせると、徐々に社会的な属性が取り払われて、ひとりの人間として、地球という惑星の上で生きていることが、理屈をこえて感じられます。

 風景と混じりあって、記憶やメロディも流れていきます。

 あるいは、風が触媒になって、また「このままでいいのか、いけないのか」という問いかけが沸いてきます。

 生きているだけで感謝すべきではないのか。いや、何かを為してこそ、生きたと言えるのではないのか。

 自転車をこいでいると、言葉になる前の質感として、そんな囁きが聞こえてきます。

 今の僕にとって、自転車に乗るということは、ダイレクトに生の感覚を得ることができる、数少ない行動のひとつです。

   追記. 最近、通勤を徒歩から自転車に変えました。これも睡眠時間の確保のためです。

山田宏哉記
 
 2009.10.14
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