ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2340)

 トラブルメーカー諸君!

 トラブルメーカーには、2種類いるように思います。自ら意識してトラブルを引き起こす人と、結果としてトラブルを起こしてしまう人です。

 僕は、トラブルメーカーを自認しています。ただし、その種類は前者のものから、後者のものへと変化してきました。

 意識してトラブルを起こす人の典型は、例えば「目立ちたかった」という理由の犯罪者(模倣犯)です。あるいは、喧嘩を吹っかけて歩くような人や、クレーマーと呼ばれるような人も含まれるでしょう。

 「金持ち喧嘩せず」という言葉が示すように、この種のトラブルを起こすのは、大抵、下層貧民です。「(生き延びるために)自分を主張する必要に迫られる」というのは、社会的弱者の条件のひとつとも言えます。

 学生時代は、とにかく無視されることに耐えられなかったような気がします。自分では優秀な人間だと自己評価していても、それを認めてもらえない歯がゆさに、常に苦しんできたような気がします。

 わざと過激なことや、相手を挑発するようなことを言ったりして、自分の存在を確かめていました。「失うもののなさ」故の無謀です。

 それで、「出る杭は打たれる」などと悦に浸っていました。今でもそうだけど、要するに自意識過剰でした。

 だから僕は、自己評価と他者評価の乖離から、攻撃的になる人に対しては比較的、寛容だと思います。「あっ、この人は自分の能力を認められたいんだな」という相手の本音が透けて見えれば、それほど冷淡にもできません。

 僕自身は、今はよくも悪くも、無視されるということはあまりなくなりました。具体例を挙げれば、僕が口を開くと、すっと場が静まりかえって、耳を傾けてもらえることが増えました。

 ウェブのページビューから判断しても、それほど無内容でつまらないことを書いているわけでもないと思います。

 そして、物理世界でも仕事の成果を出し、東京で一人暮らしをするくらいのお金は稼ぎ、ウェブの情報空間にも一定のインパクトを与えているという自負はあります。

 ただし、それでも周知のように、よくトラブルを起こします。しかし、それは結果として起きてしまうことであって、僕自身が望んだことではありません。

 現代日本社会をまっとうに生きようと思ったら、ただそれだけで周囲との避けがたい軋轢が生まれます。社会人が、ウェブに実名で率直な考えを書くだけで、これだけのいざこざに巻き込まれるのです。

 自分から喧嘩を売る気はないけれども、降りかかる火の粉は払わねばなりません。そう考えると、僕もトラブルメーカーとして、少しは成長したような気がします。

   追記.以上、回りくどい自慢話でした。

山田宏哉記
 
 2009.10.24
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