ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2371)

 軽蔑すべき大人たち  

 社会人になる前は、「休日を楽しみにする大人」をどこかでバカにしていました。  

 週末の予定に始まり、ゴールデンウィークの予定とか、そんなことばかり、やたら熱心に語る大人は「仕事に集中していない」ように見えました。  

 一方で、週末は「疲れた」と言って、無為にゴロゴロと寝て過ごす大人たちにも、軽蔑の念を禁じ得ませんでした。「週末には週末にしかできない有意義なことをするべきだ」と考えていました。  

 要は、仕事でも、プライベートでも、スーパーマンのように次々と有意義な経験を重ねていくことが、広義の"自己実現"への道だと思っていました。  

 そして今、僕はかつて自分が軽蔑していた大人に成り下がってしまったのではないかという思いに駆られてます。  

 やっぱり、3連休、4連休があると嬉しいし、でもいざその休日が訪れると、予定していたことは全然できない。つい、自分に甘くなって、夜更かししたり、睡眠時間を取りすぎたりして、自己嫌悪に陥ります。  

 そして、たぶん普通の日本人と同じように、日曜の夜には「また明日から仕事か」とちょっと憂鬱になります。  

 休日には、ふと「僕は仕事が好きだ」という自己洗脳が解ける瞬間があって、そんなときにはある意味、存在論的な危機に陥ります。  

 偉そうなことを書いていても、結局は、僕もまた凡人なのだろうと思います。  

 「仕事が好きでたまらない」とか、「仕事のプライベートも大充実」とか、そんなうまい話が転がっているわけがないじゃないか。  

 現実は、ストレスで胃に穴が空きそうになったりして、家に帰ったらバタッとベッドに倒れ込んでしまったりと、決して格好いいものではありません。  

 この記述を同じ職場の人が読んでいたら、気まずいな。ははは。  

 でも、そういう舞台裏を隠して、楽しそうに仕事をするということも、やはり社会人の責任のひとつでしょう。職場にひとり不機嫌な人がいたら、それだけで雰囲気が悪くなってしまいます。  

 せっかくの休日に1日中ゴロゴロとしている日本の大人たち。彼らに対する軽蔑の視線を、まさか自分自身に向けることになるとはね。  

   追記. 悔しいな。内心、自分はもっと仕事もプライベートもうまくこなせる人間だと思っていたのになぁ。。

山田宏哉記
 
 2009.11.14
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