ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2375)

 【敗北人生論】三浦和良と中田英寿  

 中田英寿氏(ヒデ)が引退してからというもの、もはやサッカーに対して全く興味を失っています。  

 そして僕は今、Jリーグの最年長現役選手が、あの三浦和良氏(カズ)だと知って驚いています。1998年W杯の予選で代表選考に漏れてからは、表舞台から消えていた感があります。  

 体力の衰えも隠しようない中で、いまや最年長の現役選手としてフィールドに立ち続けている。多くの国民も「もういいよ。カズの惨めな姿は見たくない」と内心思っている。  

 カズはヒデよりも、約10歳年上です。にもかかわらず、引退する順番が逆になるとは、随分と珍しいことです。  

 ヒデは3度、W杯に出場しています。対して、カズは1度も出場することが出来ないままに、サッカー人生を終えようとしています。  

 おそらくサッカー選手としての資質と能力は、明らかにカズよりもヒデの方が上だったと思います。特に頭の回転の速さの差は、いかんともしがたいものがありました。  

 また、愚直にサッカーをするしか能がないカズよりも、クールでビジネスの切り盛りもできるヒデの方が、スマートで時代受けもよかったことでしょう。  

 ヒデを勝者とするなら、カズは敗者でしょう。  

 それでも、僕はひとりの人間として、中田英寿よりも、三浦和良の方を尊敬しています。  

 1997年に、カズが代表選考から漏れてから10年以上が既に経っています。カズにとって、代表選考から漏れたことは、希望を打ち砕かれる決定的な敗北でした。  

 もはや代表に復帰できる見込みもなく、自分の時代は終わったと気付いていて、毎年、基礎体力も落ちていく中で、何を支えに戦ってきたのだろう。  

 空白の12年。この12年があるからこそ、僕はカズを尊敬します。  

   追記.たとえ勝負に敗れても、身の処し方によっては、一矢報いることができる。三浦和良と中田英寿という2人のサッカー・プレイヤーを見るとき、そんな感慨が浮かびます。。

山田宏哉記
 
 2009.11.17
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