ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2387)

 【実務家の批評】不平等な報酬

 新社会人が最初に企業間の不平等を痛感するのは、賞与の時ではないかと思います。あまりお勧めはしませんが、社外の人と賞与の額を比べると、色んな意味で衝撃を受けると思います。

 例えば、ある外資系企業では、賞与が充実していて、成績次第で入社2年目でも年収1,000万円を超えるそうです。

 自分の勤めている企業の常識を基準に、「そんな企業はあるはずがない」というのは、世間知らずというものです。

 一方、当然のように賞与が出ない会社もあります。個人事業主や非正規雇用の労働者も、賞与とは縁遠いかもしれません。

 そういう立場の人もいる以上、「賞与の額が少なかった」という類の愚痴も、言うものではありません。無用な反感を買うだけです。

 自分の報酬を、他人と比べたい気持ちはわかります。相手よりも多くもらっていれば、勝ち誇ったような気分になり、相手よりも少なければ打ちのめされたような気分になる。僕にもそういう面はあります。

 しかし、これが生産的な行為かと言うと、極めて疑問です。高額報酬を自慢して有頂天になったり、薄給を嘆いて卑屈になったりしても、人生に対してプラスの影響はほとんどありません。

 特に、身近な人と比較して、「どうしてあいつの方が賞与の額が多いんだ」といった嫉妬感情に囚われると、碌なことがありません。

 「他人と報酬を比較するな」とは言いません。おそらく、人間感情からして、それは不可能です。また、自分の報酬が、世間の相場と照らして「多いか、少ないか」を客観的に把握しておくことは、むしろ大切なことです。

 問われているのは、それでも感情に流されず、節度を保つことです。報酬がどうあれ、自分の仕事内容そのものに自信を持っていれば、胸を張っていいと思います。

   追記. 賞与にまつわる悲喜こもごもの季節になりました。

山田宏哉記
 
 2009.11.27
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