ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2396)

 音楽批評:チャットモンチーの魅力

 チャットモンチーというバンドの存在を知ったのは、約3年前のことになります。それから、折に触れて耳にしてきたように思います。

   ありきたりの常識論ですが、チャットモンチーの演奏は、あまり音が分厚くありません。ハッキリ言えば、音はスカスカです。

 とりわけギターパートは、専従のプレイヤーがいないために、単純なコード弾きが主体です。しかも、重ね録りをほとんどしていない。

 ロックへの耳が肥えた人にとっては、これは物足りなく感じるでしょう。

 それでも確かにチャットモンチーの楽曲には、確かに強烈な訴求力があります。

 過剰な編集と装飾をされた音楽が主流の中で、最小限のバンド構成で訴求する音楽を提供するというのは大変なことでしょう。

 見るところ、ボーカル&ギターの高橋さんの抜群の作曲センスと歌唱力で強行突破しています。そして、他のメンバーは名脇役に徹している。

 若い人がロックバンドを組むと、大抵、自意識過剰なギターが派手なバッキングとギターソロを要求して、楽曲がメチャクチャになるものですが、その愚を犯していない。

 おそらく、軽音楽の世界で成功できるかどうかは、作曲能力と歌唱力に80%くらいを負っています。

 そして、女子の3ピースバンドというライフスタイルとメンバーの個性が斬新だったという、やや音楽の周辺的な理由が、援護射撃となっているのでしょう。

 チャットモンチーの魅力は、以上のようなあたりにあると言えるでしょう。

 追記.  ただし、僕も歳をとったせいか、ずっと聴いていると結構、疲れるものがあります。

山田宏哉記
 
 2009.12.3
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