ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2399)

 ギャンブラーの実践確率論

 サイコロを3回振って、出た目が順に「6」「5」「4」だったとします。さて、次に出る確率が高い数字は何でしょうか。

 ここで「3」と答える人は、論外です。確率の何たるかを理解していません。

 多少なりとも高校数学を習った人ならば、「ダイスは記憶を持たないから、どの数字が出る確率も同じだ」と答えるでしょう。

 この答えは、学校教育の中では"正解"とされます。しかし、現実世界を生き抜くためには、この回答では不充分です。

 僕ならまず、「4」に賭けます。次善の策は「5」か「6」です。「1〜3」には、まず賭けません。

 ここでは、「サイコロには細工が施されている」「現実のサイコロには出目に偏りがある」と考えた方がいい。

 例えば、福本伸行の漫画では、出目が4〜6しかない「ジゴロ賽」が切り札として登場します。人間が一度に目視できるのは、立方体の6面のうち3面だけなので、出目が4〜6だけでも、案外、誤魔化せたりするでしょう。

 そうでなくても、重心の偏りや、角の削れ具合などで、サイコロの目が理論通りに1/6の確率で出るとは考えにくいものです。

 ならば何を信用するか。"実際に出た数字"です。さすがに、一度出た数字が、サイコロの物理構造上、もう出ないと言うことは考えにくい。

 逆に「"まだ出ていない数字"がそろそろ出るはずだ」という考え方は、非常に危険です。確率の世界では、それは根拠のない迷信に過ぎません。

 サイコロに何らかの細工がしてあって、特定の数字が出ないようになっていたら、痛い目に遭うことになります。

 現実世界では、"前回と同じ数字"に賭けるという戦略の的中率は、理論的な確率を上回る。これが、ギャンブラーの実践確率論です。

 追記.我ながら、結構、やばい内容を書きました。

山田宏哉記
 
 2009.12.6
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