ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2412)

 【敗北人生論】浪人者はもう使えない

 大学受験でも、司法試験でも、国家公務員試験でも、何度も受験してようやく合格するという型の人がいます。

 日本人はこういう人を「決して諦めなかった」といって評価する傾向があります。心情的には、僕もそうです。

 しかし、残酷な話をします。試験で浪人する人間は、もうそれ以上伸びない傾向が顕著です。

 「苦労して受験勉強を突破して一流大学に入学した」という人は、大学合格時点で既にゴールを迎えてしまっています。「大学入学はスタート地点に過ぎない」という心意気の人に敵うわけがありません。

 就職にしても、同じです。何度も浪人して、国家公務員試験等に合格した人は、その時点で満足してしまって、"伸びしろ"がほとんど残されていません。

 受験にせよ、就職活動にせよ、どこか小馬鹿にしていて、しかも合格するという型の人間の方が、確実に潜在能力があります。これが人間の能力格差の残酷なところです。

 僕は、大学受験のための勉強時間は平均で1日3時間くらいでした。後は好きな本を読んでいました。1日8時間くらい受験勉強をしていれば、もっと偏差値の高い大学に合格していたかもしれません。

 就職活動をしたのも、合計で4ヶ月くらいです。もっと早くから本気で取り組んでいれば、もっと高収入の企業に就職できたかもしれません。

 負け惜しみかもしれないけれども、これでよかったと思っています。僕はもともと「組織に所属する」とか「立派な肩書を持つ」ということにあまり価値を置きません。  

 でも、大学名や勤務先の会社名を言うことによって、相手が平伏したり、敬意を払ってきたりしたら、(元来の傲慢な性格に輪をかけて)やはり天狗になってしまうような気がします(人の子なので)。

 読者の方も、僕が東大卒でマッキンゼー勤務で港区のタワーマンションに住んでいたりしたら、何だか嫌ではないでしょうか。

 早稲田の修士卒で、平均よりそれなりに恵まれた処遇という中途半端な立場だからこそ、世の中を斜に構えて見ることができています。

 そして、おそらくそういう立場を手にしてしまったら、現状に満足して成長が止まり、「組織で働く」ということから、離れられなくなってしまうような気がします。

 現状でも既に、僕は今の自分の収入や生活水準に満足しかけています。

 これは危険な兆候です。意欲向上のために、もっと今の境遇に不満を抱いて、劣等感をバネして、足掻き続けた方がいいのかもしれません。「もっと世の中から高く評価されて当然だ」とか「年収2000万円くらい稼いで当然だ」とか本気で思い込んでね。

 ははは、これでは相当嫌な奴ですけれども。ときに、ワガママを押し通す。

 ですので、あなたがもし、学歴コンプレックスを持っていて、人に言えないような薄給激務の企業に勤めているとしても、野心さえ持っていれば、案外、それが功を奏するかもしれません(何という上から目線でしょう)。

 なぜなら、現状に満足していないから。特に男は、「このままでは終われない」という向上心を失ったら、あまり生きている意味はないと思います。

 現状に満足した男性諸君、そろそろ人生に幕を引くべき時ではないか。

 追記. 現状に満足しそうになったらつぶやこう。「今こそ、復讐のときだ」と。

山田宏哉記
 
 2009.12.19
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