ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2427)

 2010年のキャリア戦略

 山本直人(著)『大学生のためのキャリア講義』(インデックス・コミュニケーションズ)を読みました。青山学院大学で開講されたキャリア論をまとめた書籍です。

 おそらく山本さんの著書の魅力は、「バランス感覚のよさ」にあります。実際、本書の中にも「仕事ができる人は常識人」という話があります。

 色々な意味で勉強になりました。

 さて2010年を迎えた今、個人としてどのような心構えで自分のキャリアを切り開いていけばよいか、考えてみます。

 まずマクロの社会状況として、変化の激しさは止まるところを知らないでしょう。だからこそ、キーワードのひとつは「リスクヘッジ(危険回避)」になると思います。

 組織で働くのであれ、個人として事業収益を得るにせよ、収入源がひとつしかないというのは、やはり危険なことです。

 会社が倒産したり、自分が人員削減の対象になったりすることは、決して珍しくありません。ハローワークで職探しをしても、大幅な収入減は避けられないでしょう。

 そのとき、会社の寮に住んでいたりしたら、職と同時に住居も失うことになります。さらに、銀行の預金残高が少なければ、新たな部屋を借りることもできません。

 一時的な「つなぎ」として低賃金のアルバイトをするにしても、いつしかそれが「本業」になってしまうことは珍しくありません。

 学生時代にやっていた掃除屋には、そういう人がたくさんいました。

 ですので理想を言えば、個人の事業収益と投資等の不労所得だけで生活できるのが望ましい。貯金もある程度はあった方がいいでしょう。

 そして、宮仕えをして勤労所得を得るのは、一種の保険と考えた方がいいかもしれません。一般大衆は肩書きでしかものを見られないので、組織に所属している方が世間体がいいということもあります。

 一流企業で年収1000万円を得る人よりも、宮仕えで年収400万円、個人の事業収益で年400万円、投資収益で年200万円と分散的に得ている人の方が、経済的強者と言うことができます。

 もちろん、個人として事業収益を上げるというのは、誰にでもできることではありません。鋭い才覚なり嗅覚が必要です。自信のない人は、余計なことを考えず組織にしがみついた方が得策でしょう。

 だから大抵の人は、大学3年生になると、就職活動に熱中して、どこかの企業に入社させてもらおうと必死になるのです。

 満員電車で窒息し、薄給激務で単純作業に終始する毎日であっても、勤労所得が唯一の収入源である限り、文句を言う資格はありません。嫌なら辞めればいいだけの話です。

 でも、能力の高い人まで、そういう生き方をする必要はありません。

 いずれにせよ、より戦略的に自分のキャリアを考える必要性が高まっているのは、間違いのないことです。

 追記.ようこそ、2010年。

山田宏哉記
 
 2010.1.
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