ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (2438)
お金を稼いで贅沢をする
特に差し迫った用事がなくても、気分転換のためにビジネスホテルに宿泊するというのは、結構、いい刺激になるでしょう。1泊1万円くらいで、それなりのホテルに宿泊することができます。
ノートPCを持ち込んで、集中して原稿を書くといった用途にも使うことができます。
今、一般に「収入が減る時代」と言われています。厚労省が発表している統計等を見ても、概ねそのことは裏付けられています。
ただし、これらはマニュアル・レイバー(単純労働者)の世界の話であって、高度な知的能力を持った人の収入は、むしろ増えているように感じます。
当然、収益や収入が右肩上がりという人は、急速に地位や発言権を強めていると見ることもできます。
生活面でも、収入が増えている反面、物価は安くなっているので、余裕とゆとりが生まれます。
そして、非日常の演出を満喫するのに、いくらお金を払うかということは、その人の文化水準と相関します。
こういう不要・不急のことにお金を使うというのは、あまり褒められたことではないようです。
日本では政治家がホテルのバーに足繁く通っていたりすると、国民が「庶民はこんなに苦しい生活をしているのに…」みたいな怨嗟の声を上げます。
新興国の若者たちであれば、「自分もそういうことができる身分になりたい」と思うはずです。
ところが日本の貧困層では、他人の生活水準を引き下げようとする努力ばかりが目に付きます。
「プロレタリアートの給与より、生活保護の受給額の方が多いのはおかしい」とか「ホームレスには派遣村の食料を食わせるな」とか、下向きの議論ばかりしています。
年収200万円の人が、年収180万円の人を見下して、自尊心を保っている。「貧すれば、鈍する」とはよくぞ言ったものです。
こんな国で政治家をやるとなったら、貧困層の印象をよくするために、必死で"庶民感"を演出しなければならないので、大変です。
思うに能力があって、お金を稼いでいる人は、もっと堂々と贅沢にお金を使えばいい。遠慮する必要はありません。
高級喫茶で1杯\1,000のコーヒーを飲みながら、「世界にはなぜ貧困が存在するのか」とか、物思いにふけっていればいいのでしょう。
追記. お金を稼いで贅沢をする。随分とシンプルな話です。
山田宏哉記
2010.1.15 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ