ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2447)

 "内面の特権化"について、僕はこう思う

 今まで、自分には向上心があると思ってきました。能力や技術に不足はあっても、精神的な部分だけは誰にも負けないつもりできました。

 そうやって、自尊心を保ってきたように思います。

 ただ、"自分の内面"のことなら何とでも言えます。そして、他者と客観的に比較検証することもできません。

 冷静に判断すると、今の僕はあまり向上心が強い方ではないような気がします。

 例えば、1日の作業時間が16時間を超えると、明らかに集中力が落ちます。疲労も蓄積します。そういうとき、「心が折れる」ということがあります。

 現状では、成果を出すための基盤(向上心、意欲、基礎体力)が不十分です。これでは、いくら思考の鋭くても、パフォーマンスとしては鈍いものになってしまいます。

 自分の内面を特権化して、「根性だけは誰にも負けない」などと自己認識するのは、諸刃の剣でしょう。

 例えば、暴行を受けている人がいたとき、「可哀想だと思った」ことを根拠に、「自分は心優しい人間だ」と自己評価する。

 誰しも無意識にやりがちなことでしょう。そうやって、見て見ぬ振りをすることを正当化する。自分に甘くなってしまう。

 もう「"やる気"だけは誰にも負けません」と自己アピールするのは、やめにしないか。その発言には、責任が伴わない。

 言うなら、「技術と能力では誰にも負けない」と言い切る。あくまで検証可能な形で言う。

 それが言えないなら、自分の内面について、あまり饒舌になるべきではないような気がします。

 追記. それにしても、この1週間は相当にハードでした。

山田宏哉記
 
 2010.1.24
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