ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2483)

 実は"自分にピッタリの職種"がある可能性

 NHK「平成若者仕事図鑑」の「宙高くジャンプ!〜イルカトレーナー」(3/7放送)の回を視聴しました。いやはや、これが面白かった。

 僕にとって、この番組が刺激的なのは、大抵「自分の職業選択において、全く想定していない職種」が取り上げられることです。今回の"イルカトレーナー"という職種もそうです。

 幸か不幸か、これまで生きてきた中で、「イルカトレーナーになりたい」と感じたことは一度もありません。というより、世の中にはそういう職種もあるということ自体がひとつの発見でした。

 ただ不思議なことに、NHKの番組として新米トレーナーに密着して、仕事内容を紹介されると、厳しくもとても魅力的な職業に見えてきます。

 また、イルカという生き物の本質的な賢さというものも、伝わってきました。

 仕事と言うと、つい自分中心に考えて「スーツを着て、オフィスでデスクワークをすること」を想像してしまいますが、世の中には多様な職業があるということは、体感として覚えておきたいことです。

 学生が自分の将来の職業を考えるとき、ふと実はとても狭い選択肢しか想定していないのではないか、と思うことがあります。

 公務員か、民間企業か、サッカー選手とかミュージシャンか。ごく乱暴に言ってしまえば、"寄らば大樹の陰"の組織で働くか、その価値観に反発してリスキーな職業を選ぶか、という選択を迫られている。

 今思うと、両者はともに「世の中の実態が見えていない」という意味において"似た者同士の情報弱者"です。

 先回、就職に際しては情報格差を利用して、「優良BtoB企業を狙うべき」だという話をしました。実はこれよりひとつ前の段階において「なるべく多くの職種を知っておく」ということが案外、重要なのかもしれません。

 「好きなことを仕事にする」というと「甘い」という反応が通り相場です。けれども、世の中にあるたくさんの職業の中で、「他の人は全然注目していないけれども、実は自分にピッタリの職種」がある可能性は否定できません。

 イルカトレーナーというのは、その一例です。きっとそんな風に、世の中には「知らなければ、そのまま素通りしてしまうような職種」が色々あるのでしょう。

 幼い頃から、何の疑問もなく、国家公務員や弁護士や医者といった"社会的地位の高い職業"を目指すのもひとつの生き方でしょう。

 ただ、偏差値で受験校を決めるように、職業も決めてしまうのは、自分の可能性を大幅に狭めることにつながるように思います。  

 そして、もしかしたら、まだ自分が知らない職種の中に、"自分にピッタリの職種"があるかもしれない。あなたや僕の天職は、実は"パンダの飼育員"だったりして。

追記.就職に関しても、本当にものを言うのは、初期段階での情報でしょう。

山田宏哉記
 
 2010.3.8
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