ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2486)

 TVの"典型的視聴者"は誰か?

 只今、池田信夫氏のブログのバックナンバー記事をまとめて読んでいます。

 「古舘伊知郎氏が『格差社会』を語る気味悪さ」の一節で思わず吹き出したので、引用しておきます。  

<私がNHKに勤務していたころ教わったのは、「典型的な視聴者は、50歳の専業主婦で高卒だと思え」ということだった(politically incorrectだが)。

たぶん民放はもっと低く設定しているだろう。それが市場メカニズムでは正解である。1億人の知的水準の平均値は、当ブログの読者には想像もできないぐらい低いのだ。>
(池田信夫blog「古舘伊知郎氏が『格差社会』を語る気味悪さ」2008年11月17日
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51294993.html)


 NHKにして、TVの典型的な視聴者が「50歳の専業主婦で高卒」と考えているというのは、結構、衝撃的なことです。

 そういえば、僕の観察ではNHKの「平成若者図鑑」などに出てくる若者や勤労者は、高卒が多数派です。

 実質的にNHKには一流大学からでないと就職できませんが、やたらに高卒労働者を持ち上げる番組ばかり流すのは、どうも裏返しの差別であり、偏見であるような気がします。

 いや、これでもNHKは比較的、良心的な番組を放送している方です。

 番組の質から考えて、民放が暗に想定している"TVの典型的視聴者"というのは、きっと"高校中退のニート、フリーター"とか"痴呆が進んでいる老人"とかになるのでしょう。

 一日中、ボーッとTVを見るしかすることのない同室のご老人を見ていると、民放のクイズ番組とかバラエティは、きっとニーズがピッタリ合致したコンテンツなのだろう、と思います。

 そういえば、池田氏も別の記事で記していましたが、マスコミ報道で「逮捕もの」や「殺人事件もの」がトップニュースになるのは、どう考えてもバランスを欠いています。

 "○○殺人事件"よりも、もっと報道すべき政治・経済・外交の事項があることは明らかです。しかしこれも、あくまで前述のTVの典型的視聴者が興味を持ちそうな情報を流していると考えれば、諦めるべきなのかもしれません。

 確かに、日常的に、批評を読んだり、抽象的に物事を考えたりするのは、決して、多数派ではないでしょう。

 僕たち(≠日本国民)にとって大切なのは、あまり知的なエリート意識を剥き出しにしたりすることなく、それなりに平均的日本人と折り合いをつけて生活していくことなのかもしれません。

追記.そしてやはりもう、TVというメディアは終わっています。

山田宏哉記
 
 2010.3.11
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