ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2504)

 学校では教えない"免疫"の話

 男性は、実社会に出る前に、3つのものに対して免疫をつけておいた方がよいと思います。その3つとは、政治・宗教・ギャンブルです。

 現在のところ、これらは学校教育では全く教えられていません。というのは、特に政治色と宗教色は、注意深く教育現場から排除されているからです。

 学校教師が生徒の前で、特定の政党や政治思想、あるいは特定の教団や教義の支持を表明するということは、まずありません。

 ギャンブルに関しても、学校教師は決して、「みなさん、パチンコに行きましょう」などとは言わないでしょう。

 ふと、思い出すことがあります。高校時代、僕は麻疹にかかったように、政治に関心を持ったことがあります。

 高校の日本史教師が、いわゆる"左翼"的な人で、授業中に重点的に"歴史教科書問題"や"従軍慰安婦問題"を扱いました。その反動で、僕は結構、"右寄り"な考え方をするようになって、文藝春秋の『諸君』などを読むようになりました。

 結局、大学の学部2年位くらいまで、「この人は、右か、左か」というレッテルを貼ることに、異様に拘ることになりました。10代後半から20代前半にかけてのことです。

 冷静に振り返れば、この政治に対する異常なまでの関心は、「自分がまだ社会的に何者でもない」ことへの苛立ちが裏返ったものでした。ルサンチマン(怨念)ということもできるでしょう。

 学生運動の時分、機動隊に向かって火炎瓶を投げていた学生たちも、通底するものはたぶん似通っていたでしょう。

 今まで、政治や宗教に無関心だった人が、ふとしたキッカケで関心を持つと、免疫がないので、極端に走りやすい。あまり言われないけれど、"若いうちにこういうことにも関わって、危ない思いをしておくことは実際上、結構重要です。

 というのは、大の大人がこういうものに熱中すると、人生を棒に振ることになりかねないからです。

 インフルエンザの予防注射と同じように、失敗しても"やり直し"が効く時期に、免疫をつけておきたい。そして、不思議と女性は、こういう落とし穴にはまらないのですよね。

 その意味で、僕は高校時代に、極めて政治的な歴史の授業を受けられたことを感謝しています。

追記.以上、学生の読者もいるようなので、記してみました。

山田宏哉記
 
 2010.3.22
 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ