ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2518)

 情報強者としての勤労学生

 本日、早稲田大学で新しい学生証とIDを取得してきました。これで、大学が契約しているデータベースや大学図書館を利用することができます。

 僕が相変わらず大学に在籍しているのは、別に講義を聴きたいからではありません。

 大学の"講義"と聴いてイメージするもの、すなわち「教師が教壇に立って学生相手に学説を伝える」という光景は、書物(テキスト)が貴重だった時代の遺物です。演習形式の少人数講義でない限り、わざわざ出席する意味はありません(「単位を取る」という話は別です)。

 それよりも、情報システムや図書館利用といったインフラ部分の利用価値の方が遙かに大きい。

 例えば、早大在学者は、日経テレコン21という日経の有料データベースが使い放題です。簡単に言うと、日経記事のバックナンバーを検索できるウェブサービスです。

 これは、学生にとってよりも、むしろ社会人にとって利用価値があります。僕も、自社関連の報道情報は、日経テレコンでフォローしています。

 問題は価格です。日経テレコンは少額課金方式で、ハッキリ言って高い。検索結果で見出しを表示するだけでも課金され、記事1本の全文を読むには\100くらいかかります。

 従って、日経テレコンをバリバリ使うと、月に10万円とかの"情報料"がかかります。「良質の情報は無料ではない」と言えばその通りですが、これでは普通のビジネスパーソンには敷居が高すぎるでしょう。

 ただし、この種のウェブサービスは、大学を通して利用すると、驚くほどコストを抑えることができます。

 早大の例で言えば、大量にこの種の有料データベースが利用できます。学生にしても、そのために年間約80万円とかの高い学費を払っているわけでしょう(諸事情により、僕の"学費"は年間約6万円ですけど)

 極端な話、これだけで無料情報にしかアクセスできないビジネスパーソンに情報格差をつけることができます。

 別に早大に在籍する必要はありませんが、学内者向けに便宜を図っている大学ならば結構あることでしょう。

 「修士号を持っている」などというのは、所詮はアクセサリーですが、情報システムや大学図書館が利用できることには、実質的な価値があります。

 いまや勤労学生というのは、苦学の象徴ではなく、情報強者の象徴なのです。

追記.大学構内は、新入生のサークル勧誘のため、人でごちゃごちゃになっていました。

山田宏哉記
 
 2010.4.2
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