ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2521)

 一口で食べられる情報サービス

 あるテーマに関して、"詳細を知りたい人"よりも、"要約を知りたい人"の方が数多く存在します。そして、情報を発信する側は「要約を知りたい人」の存在を前庭とした方が得策です。

 情報を発信する際には、このことを念頭に置くべきでしょう。

 「私の言いたいことは、15秒で読めますよ!」。わぉ、何と素晴らしい!

 ツイッターをやっていてよく感じるのは、140字という字数制限の中にも、かなりの情報量を詰め込むことができるということです。

 これは投稿側としても感じるし、読者側としても感じます。

 140字といえば、だいたい15秒くらいで読むことができるはずです。これはテレビCMの長さと同じくらいです。

 経験上、本来800字くらいで言うべき内容を、140字に要約するという作業は、意外とできるものです。本当に言いたいことならば、あまり字数を必要としない。

 800字とかの個人ブログであれば読み飛ばしてしまう人の投稿であれ、140字に要約されていれば、結構、真面目に読んだりします。

 これを逆から見ると、僕の800字とかの文章なら読まなかった人も、140字に要約されていれば、案外、真面目に読んでもらえることを意味します。ビジネス風に言えば、「新規顧客の開拓」です。

 誰も真面目に読まないようなブログの内容も、140字にまとめてツイッターに投稿すれば、格段に読まれるようになります。

 僕にも、「その人のブログは読んでいないけど、ツイッターへの投稿はフォローしている人」が結構います。それを失礼なことだとは思わない。

 ここで、「140字では伝われない」というのは、甘えであり、言語能力の欠如に他なりません。サッカーで手を使ったり、ボクシングで蹴りを使うようなルール違反です。

 もちろん、詳細を知りたい場合は、長文の原稿を読むでしょう。しかし、時間という資源が有限である以上、そういう人ばかりではありません。

 現代においては、長文が美徳ではなくなった。むしろ要約が美徳になった。モノを言うのは、情報を要約する能力です。

 試食コーナーに、一口で食べられる情報を置いておくのは、マーケティング戦略上も、理に適っているでしょう。

追記.さて、書物などからそのまま引用すると、えてして一気に字数が埋まってしまいます。これは、従来の書物の情報密度が必ずしも高いわけではない証拠でしょう。

山田宏哉記
 
 2010.4.4
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