ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2522)

 【実務家の批評】"仕事術"の本を読まなくなった

   "仕事術"とか"勉強法"と呼ばれるジャンルの書籍があります。ビジネス書というよりも、自己啓発書の一分野を形成しています。

 社会人になってから、僕は割と熱心に仕事術の本を読んできました。それがここ最近、めっきり読まなくなりました。それは、なぜか。

 おそらく、本の側に問題があるのではありません。他の人がどのように仕事を進めているのかということは、参考になるし、実際的に役に立つことも少なくありません。

 おそらくこれは、人生のある時期まで、好きでよく食べていた食べ物が、ある時期以降、あまり食べなくなるようなものです。

 若い頃は、とにかく肉や揚げ物好きだったのが、歳をとるにつれて、魚や野菜が好きになる。きっと、そういうことです。

 宮仕えをして、生活費を稼ぐということに関しては、よくも悪くも"割り切る"ようになりました。

 会社の業務は、会社の中だけで終わらせる。当たり前と言えば、当たり前のことです。少し、余裕ができました。

 もっとも組織で働く上で、新人の頃は、普通そんな態度では許されないと思います。休日も、必死で業務関連の本を読んだり、仕事術の本を読んで試行錯誤したりして、目の前の課題を乗り越えることがどうしても必要です。

 社会人2年目になって、家で熱心に「スケジュール管理の鉄則」などと、仕事術の本を読まなくても、ある程度、仕事を回せるようになりました。

 仕事術の本は、大抵、知的にはあまり面白くありません。「メモを取る秘訣」とか「ノートの取り方」とか、実際的には大切なことですが、わざわざプライベートな時間を使って取り組むべきテーマではないように思うようになりました。

 むしろ、こういう情報はウェブで得た方が効率的です。「iPhoneやツイッターを仕事にどう活かすか」とか「PCの操作方法」に関するテーマであれば、ウェブ媒体の方が明らかに適しています。

 もっと根本的なことを言うと、仕事の進め方などは、読書ではなく、実務を通してしか、身に付けることができません。

 従って、読書家としての僕の関心は、ビジネス関連では、経済全体や、経営サイドの視点や、社会問題の方に向かっています。本を読む際は、むしろ"遅効性"の知識や情報を求めるようになりました。

 以上、読者の方にはどうでもいい話かもしれませんが、アウトプットたる原稿の内容にも関わってくるので、この辺りで考えをまとめておきました。

追記.というわけで、今後はウェブサイトの運営を今以上に充実させます。

山田宏哉記
 
 2010.4.5
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