ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2532)

 書物の置き場所をどうするか問題

   単純な話、本は置き場所に困ります。自宅の部屋は書物だらけになっているので、これ以上、もう増やしたくありません。

 職業的な物書きは、当然、「本は買って読め」と言います。しかし、「読み終わった本をどうすればいいか」については、黙して語りません。

 日本の平均的な住居で、「蔵書」を持とうと思ったら、色々な意味で大変です。普通の家庭で、1,000冊以上の本を所有しようと思ったら、色々なトラブルが発生することでしょう。

 僕が大森で一人暮らししている部屋は1Kなので、100冊以上の本を所有するとなると、大変です。

 実際問題として、家に置いておけなくなった本は、ブックオフに売り払うのも、古紙回収に出すくらいしか選択の余地がありません。

 僕は大部分の本は、図書館で借りて読んでいます。何も「本代をケチろう」というわけではありません。

 既に家に置く場所がないので、本を買っても捨てざるを得ないのです(もっとも読む本全てを買っていたら、毎月10万円近くになるでしょう)。

 しかし、書物の価値は、知識や情報などあくまで「書かれた中身」にこそあります。

 本質ではない「紙」が部屋を占拠して、生活不能に陥るというのは、本末転倒でしょう。

 基本的に情報はウェブ上なりハードディスクの中に置くべきです。これが倫理的な振る舞いです。

 ビジネスの世界では、既に紙の書類もPDF化して「電子ファイルで保存する」というのが一般的になってきています。これなら、余計なスペースをとらずに済みます。

 紙の本も、スキャナでPDF化して、原本の方は捨てるのが合理的です。否、だったら初めから、書籍はPDFで買いたい。

 日本の住宅事情を考えれば、出版不況の一因は、実は本や雑誌の”置き場所問題”にあるのではないかと思います。

 その意味で、僕は電子書籍の普及には、大いに期待しています。

追記.以上、些末なようで意外と重要な問題でした。

山田宏哉記
 
 2010.4.12
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