ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2536)

 学生時代を振り返って思う

   毎週土曜日は、大学図書館に行くことにしています。

 学生たちを見ていると、自力でカネを稼いでいることが誇らしいような、まだ色んな可能性がある彼らが羨ましいような、複雑な感情が湧いてきます。

 そして、自然と自分の学生時代のことを思い出します。

 大学時代、時間を無駄にしたつもりはありません。高校時代からずっと、「大学時代に何をするべきか」ということを考えてきました。

 瞬く間に時間が過ぎ去ることは覚悟していました。そして実際、その通りでした。自分なりに精一杯生きたつもりです。

 学生時代を振り返ると、「やっておいてよかったこと」と「やっておけばよかったこと」が思い浮かびます。

 「やっておいてよかったこと」の第一は、読書と勉強です。ほとんど読書と勉強しかしなかったようなものです。

 1ヶ月大体50〜100冊のペースを7年間、続けています。平均的な学生の読書量とは比較にならないと思います。もっともそれでも「もっと読書をしておけばよかった」と思うのは、きっと欲が深いからでしょう。

 当ウェブサイト「文筆劇場」の基本構造の設計も、学生時代にやったものです。これも、社会人になった今では、とてもできないでしょう。

 「更新しやすさ」を最も重視しました。フレーム分割や更新ルールなど、2004年以降、大まかな変更はしていません。

 不備はたくさんありますが、これでも結構、考えました。手作り感のある個人ウェブサイトとして、自分でも結構気に入っています。

 やらずに後悔していることはたくさんあります。「免許取得」をしなかったおかげで、いまだに学生証を身分証代わりにすることが多々あります。

 "当てのない世界放浪"みたいなことをしなかったのも、悔やまれると言えば、悔やまれます。借金をしてでも、世界一周旅行とかに出かけておくべきだったような気がします。

 一般に社会人は、"まとまった休暇"をとることが困難です。僕も例外ではありません。まとめて休めるのは、入院したときとか、解雇されたときとか、一般にあまり望ましい状況ではありません。

 ただし、そんな風に思うとき、いつも行き着くのは次のような感慨です。

 何かを選択するということは、他の選択肢を切り捨てることです。

 そのことを悔やんでも仕方がない。それでも、割り切れなくて「あの時、こうしていれば…」という感傷を抱く。それはきっと誰にでも訪れる感覚なのでしょう。

 だからこそ、僕は思う。そんな小さな痛みも、人生に彩りを与える構成物のひとつなのだ、と。

 僕は僕にしかなれなかった。それで構わないじゃないか、と。

追記.それでも僕はまだ、「世界放浪生活」を完全に諦めたわけではありません。

山田宏哉記
 
 2010.4.16
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