ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2589)

 虚無の街 2010年の横浜・みなとみらい地区をゆく

 
本日(2010年5月29日土曜日)、横浜のみなとみらい地区の"フィールドワーク"に出かけました。

 約6年前の大学の学部時代にも、"一次情報収集"の目的でこの地区に来たことがあります。日雇い労働でも来たことがあります。

 ただし、開発のテンポが早いせいか、僕の記憶の中にある"みなとみらい地区"とは、随分と景観が変わっていました。

 たぶん、今日、僕が眼にした光景もあくまで一過性のものとして移ろいゆくのでしょう。

 本日はあいにくの天気でしたが、むしろこの一帯の本質を写す鏡のようにも見えます。

 撮影した写真の中から、いくつか象徴的な写真を紹介しましょう。

【写真1】ランドマークタワーから臨む新港。


【写真2】赤レンガパークから臨むみなとみらい地区


 【写真1】〜【写真2】は、みなとみらい地区の概観です。近代技術を結集して設計された空間であることはわかりますが、同時に"人間性との断絶"も感じずにはいられません。

 たちこめる暗雲が、この地区の未来を暗示しているように暗示しているように見えます。

【写真3】新港の中心的施設「ワールド・ポーター」


【写真4】世界最大の時計型観覧車を誇る「コスモワールド」


【写真3】と【写真4】は、この地区の「呼び水的施設」です。あいにくの天気のせいか、それほど人がいませんでした。華美な装飾がむしろその虚無性を浮き挙がらせています。

【写真5】海上保安庁の護衛艦「しらゆき」


【写真6】海上保安庁横浜防災基地屋舎と「工作船展示館」


【写真5】〜【写真6】は、海上保安庁関連です。

 傑作なのは工作船展示館です。2001年の九州南西海域工作船事件で自爆した北朝鮮の工作船(全長30メートル)がそのまま展示されています。

 20ミリ機関砲で船体射撃した弾痕は生々しいものでした。

 押収したライフル(AKS-74突撃銃)やロケットランチャーも誇らしげに展示してあります。

 本日はたまたま、護衛艦「しらゆき」が一般公開されるということで、見るからに「マニア」な人々が押しかけていました。

 普通の感覚からすれば、カップル御用達の遊園地やショッピングセンターの隣で、北朝鮮の工作船が展示されていて、軍事マニアが押しかけるというのは、「何だかなぁ」という印象を持つでしょう。

 思うに、このチグハグな違和感こそ、このみなとみらい地区の通奏低音なのです。

 山田宏哉記
 
 2010.5.29
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