ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2596)

 2010年の山谷 "高級ビジネスホテル"宿泊記

【資料1】山谷ドヤ街の"奇形旅館"。1泊\2,000強。


 
山谷と言えば、1泊\2,000強の"奇形旅館"が立ち並ぶドヤ街があまりに有名だ。

 ただし、近頃では新しいタイプの宿泊施設が台頭してきている。昨夜(2010年6月4日)、山谷にある近代的なビジネスホテルに宿泊した。

 1泊\3,500であり、山谷の相場からすると"高級ビジネスホテル"の部類に入る。その内実をリポートしよう。

【資料2】宿泊した"高級ビジネスホテル"。1泊\3,500。10階建。


【資料3】"高級ビジネスホテル"の個室内装。



 個室は、ドアを開いた瞬間に唖然とするような空間設計となっている。広さが3畳くらいしかない。また、ベッドで足を伸ばすと、布団からはみ出してしまう(当方身長173cm)。

 とはいえ、必要なものは一応、揃っている。エアコンや液晶テレビも置いてある。

【資料4】"高級ビジネスホテル"の間取図(710に宿泊)。


 【資料4】の間取り図は、一見、何でもないように見えるが、重要な事実が含まれている。共同のトイレや洗面所の方が、個室よりも広い。

 これは決して、このホテルのトイレや洗面所が特別に広いわけではなく、個室の方が狭いのである。

【資料5】"高級ビジネスホテル"の共同施設。いずれも標準的広さ。


【資料6】LANケーブル設置。情報環境としては充実。



 普段、PCを持ち歩く人にとっては、PCの電源とウェブ接続が確保できるかは大きな問題であるが、問題なく確保できた。

 いや、むしろ内装がどれだけ豪華であったとしても、携帯の電波が届かなかったり、インターネット接続が出来なければ、宿泊先としては致命的である。

 「なぜネットカフェが宿泊先になり得るのか」という理由の核心はここにある。

 山谷の"高級ビジネスホテル"は、案外、この辺りの機微をわかっているように思う。

 その意味で、山谷の"高級ビジネスホテル"は、ネットカフェを模倣している。ネットカフェもまた、"最低限の宿泊施設"である山谷を模倣している。

 尚、バルコニーからの眺望も良好で、山谷の街並の向こうに東京スカイツリーが見える。

【資料7】バルコニーからの眺望。


 結論として、機能面を追及するなら山谷の"高級ビジネスホテル"は極めてコストパフォーマンスが高い。

 出張するビジネスパーソンや地方から就職活動のために上京してきた学生、外国人観光客などが経費を抑えたい場合には最適だ。

 ドヤ街のディープな"奇形旅館"に宿泊するのは抵抗がある人でも、"高級ビジネスホテル"であれば、フロントの対応が良い意味でドライなので、抵抗なく宿泊できると思う。

 ホテル側にも、そういう人たちを積極的に想定顧客にしている節があった。

 山田宏哉記
 
 2010.6.5
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