ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2628)

クローズアップ現代「オープンスカイの衝撃」の覚書

 NHKの報道番組クローズアップ現代「オープンスカイの衝撃」(6月30日放送)の出来が秀逸でした。思わず、メモを取りながら観ました。報道内容は以下のようなものです。

 航空自由化に伴い、いまや関西国際空港―ソウル間が往復¥15,000で行けるようになりました。ショッピングやグルメが目当ての女性客から人気だそうです。運行しているのは韓国のチェジュ航空です。これは日本の航空会社の約半額とのことです。

 "\15,000の交通費"というのが、いかに破格の値段なのか。

 東京―新大阪を新幹線の自由席で行くと片道約\14,000になります。指定席だと約\15,000です。羽田―関空をJALの格安チケットで行っても片道\14,000くらいになります。

 興味深いのはチェジュ航空のマーケティング戦略やコスト削減手法です。

 チェジュ航空の親会社は化粧品メーカーで全くの異業種からの"空の市場"に参入してきました。そして、ターゲットは「これまで全く飛行機を使わなかった人たち」。

 コスト削減に関しては、機内食はオニギリ1個だそうです。ある意味、この割切りは凄い。確かに、客が飛行機に乗るのは機内食を食べるためではありません。ならば、機内食にコストをかけるのは余計な費用です。

 さらに飛行機が到着すると、客が降りないうちに清掃を開始します。これで、大手航空会社が到着かか次の離陸まで90分かかるところを、チェジュ航空では25分に短縮しました。

 パイロットは大手航空会社を退職した人材を活用しています。支払っている給与は、大手航空会社の約1/3程度のようです。具体的には年収400〜500万円と推測されます。

 番組には、オープンスカイの研究者として花岡伸也氏(東京工業大学準教授)が出演され、解説していました。

 曰く「日本の〔空の〕市場は魅力的。オーストラリアのジェットスター航空はオープンスカイ協定を結んでいなくても日本に進出してきている」

 「日本のスカイマークなどの格安航空会社が海外の格安航空会社と比べて割高なのは、羽田空港の発着枠が足りなくて(JALや全日空が占有しているため)、運航頻度を上げられなかったから」。

 日本の航空会社でも海外の格安航空会社に対抗するため、「客室乗務員を中国人にする」などの人件費削減施策をとっているのようだ。

 何はともあれ、"日本の空"が大きく変わりつつあります。今年10月には、羽田空港に4本目の滑走路ができることで、年間の離着陸回数は47,000回増える予定です。

 今、航空会社と空港が熱い。番組を見ながら、これは正面から取り組む価値があるテーマだと痛感しました。

山田宏哉記
 
 2010.7.10
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