ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2629)

"社会的信用"で生まれる格差

 先日、TSUTAYAの会員証を更新しました。私はこのとき困ってしまって、どうにか"保険証"と"学生証"で身元を証明しました。

 TSUTAYAで会員証を作るのは、意外とハードルが高い。

 "会員制ビジネス"が成立するための必要条件は、「不良な会員が含まれていないこと」にあります。確かにレンタルしたコンテンツをそのまま返却せず、延滞料金の支払いにも応じないような客が増えたら、TSUTAYAの経営に大きく響くでしょう。

 そもそも、「貸し借り」という商行為に参加するには、社会的信用が欠かせません。金融然り、賃貸住宅然り、TSUTAYAのDVD然り、大学図書館の図書然り、です。

 現代においては、この「貸し借りのネットワーク」に参加できるか否かで、生活水準に大きな格差が生まれることは明白です。

 単純な話、賃貸住宅を借りたいと思っても、審査で不可とされたら、どうすればいいでしょうか。東京ではネットカフェに入店するにも身分証が必要となったし、マクドナルドでは「深夜清掃」によって、浮浪者の長居を防ぐようになりました。

 要するに、"社会的信用"に欠ける人には厳しい時代がやってきました。iPhoneやiPadを使用し、iTunesでアプリを購入するためにも、Amazonを便利に使いこなすにも、確たる個人情報が必要です。

 "会員制ビジネス"に至っては、「入会審査を厳しくするほど、ステイタスは高くなる」という特徴があります。

 住所不定・無職の人やクレジット・カードが使えない人は、いくら多額の現金を持っていようと、排除するのが賢明でしょう。

 "理由あり"の人は、「スーパーでキャベツを買う」「コンビニで弁当を買う」「自動販売機でジュースを買う」などといった単純購買に終始するしかなく、情報革命の恩恵を受けられません。

 時代は、"社会的信用"を重視する方向に大きく舵を切っています。この潮流を見逃すべきではないでしょう。

山田宏哉記
 
 2010.7.11
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