ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2673)

 難聴が国民病になる日

 「朝日新聞」2010年07月17日付朝刊の「週末be・b02」に「(知って安心)携帯型音楽で難聴?」という記事が掲載されています。

【引用開始】

 1980年ごろに携帯型音楽プレーヤーが登場して以来、イヤホンやヘッドホンで長時間、大音量の音楽を聴き続けると難聴になる恐れがあることが指摘されてきた。

 慶応大医学部の小川郁教授は「特にデジタル携帯型音楽プレーヤーは大きな音量が出るうえ、ノンストップで聴けるので影響が大きい」と話す。「30〜40年後には、5千万人が携帯型音楽プレーヤー性難聴になる恐れがあるという学者もいます」

 症状は、聞こえが悪くなる、耳鳴りがする、耳がつまったように感じる、など。ゆっくり耳を休ませれば治る場合もあるというが、内耳の蝸牛にある有毛細胞は、大きな音や長時間にわたる音にさらされて折れたり傷ついたりすると、再生は難しい。一度聞こえなくなると、治らない恐れがある。

 欧州連合(EU)は昨年秋、プレーヤーの音量を規制する安全基準策定に乗り出した。仏には音量を100デシベル以下とする規制があるという。

 機種やイヤホンによっては120デシベル以上の音量になるプレーヤーもあるらしい。「なるべく音量を落とし、時々は耳を休めてください」と小川教授は忠告している。

【引用終了】


 つい最近、"くりらじ"のサガワさんが突発性難聴になられたということで、ショックを受けました。難聴の問題は、以前からずっと気になっていたのですが、正面から取り上げることがありませんでした。

 医学的には充分なデータが揃っていないようですが、「耳(聴覚)を酷使する人は難聴になり易い」という傾向はあると考えた方がよいと思います。  難聴の原因はわかっているものもありますが、まだよくわかっていないのが現状のようです。そして、その中には「ヘッドフォン難聴」を疑われるケースが多いようです。

 私の実感でも、特にヘッドフォンやイヤフォンのような「至近距離の音」は、生物の聴覚にとって、刺激が強い。

 何しろ、頭の中で音が鳴っているように聞こえます。これは生物にとって自然な音の聞き方ではありません。

 「日経新聞」2008年5月27日付では、ヘッドフォン難聴を以下のように説明しています。

【引用開始】

 ヘッドホン難聴は、工場など大音響に接する場所で仕事をする人がかかりやすい「騒音性難聴」の一種。自覚症状のないまま聴力が次第に落ちる慢性タイプと、ある日突然耳が聞こえなくなる突発性タイプとがある。耳がつまる感じや耳鳴りなどを伴うケースも見られる。

【引用終了】


 ヘッドフォンやイヤフォンをしている時間が長い人は難聴に気をつけた方がよいと思います。

 大音量の環境に晒されると、音を感じるための細胞が死に、難聴になりやすいことは、既に実験などでも確かめられているようです。「大音量」だけでなく、「長時間」にも要注意です。

 日本人にとって近視が国民病であるように、難聴が国民病になるのはそう遠い話ではないと思います。

 しかも難聴は、近視とは違って自覚症状が出にくいので、「気が付いた時には手遅れ」になる可能性があります。

 個人的には、ヘッドフォンの1日あたりの使用時間は制限した方が賢明だと考えています。


 山田宏哉記



 2010.8.25
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