ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2674)

 教養としてのITスキル

 現代人にとって、ITスキルは必須のリベラルアーツ(教養)と化しています。何を専門分野とするのであれ、知的生産に関わる者が情報技術に弱いのでは、致命傷になる可能性が高い。

 既存のマスメディアによる情報技術批判の類は真に受けない方が良いでしょう。視聴者・読者に情報リテラシーの低い人が多い媒体は、そういうスタンスを取らざるを得ないのです。

 逆に、今なら「ツイッター」や「iPhone/iPad」というキーワードを挙げるだけで、何かを語った気になっている人も多くなりました。流行語を口にすることで「時代に乗っている感」を演出しているのでしょう。

 さて、ご承知の通り、IT分野の技能や知識は、人それぞれで偏りが激しい。

 それでも、汎用性の高いITスキルとして、「タイピングのスピード」があります。これは速ければ速い程、望ましい。

 2010年5月13日放送のNHK・ITホワイトボックス2「進化する文字入力」でも、携帯電話の予測変換、タッチパネル、音声認識などの「より速い」文字入力技術が解説されていました。

 しかも単純な話、これでITスキルの水準を、結構判断できるものです。

 普通の人が話す速度、さらには思考スピードでの文字入力が可能になれば、世界が変わるのは間違いありません。

 にもかかわらず、いまだにカット&ペーストをCtrlキーを使わず、右クリックでやっている人が多数派だったりします。

 ついでに言えば、キーボードからのローマ字入力は誰でもできるという建前になっていますが、そんなことはありません。例えば、「ぁぃぅぇぉ」と入力するにも、変換なしで入力できる人とできない人がいます。

 細かいことですが、タイピングの速度向上のために必要なのは、こういう細かい積み重ねなのです。そして、一朝一夕では身に付きません。

 日本のビジネスシーンの主流は、このように一方的なITスキルを持ち上げるような言い方は、あまり好まれません。むしろ「いくらITスキルが高くても、コミュニケーション能力が低ければ…」という言い方の方が好まれます。

 しかしいまや、タッチタイピングとショートカット・キーは、社会人になる前に習得しておくべき技能です。しかも、必要とされるITスキルのハードルは、年々、上がり続けています。

 僕自身、IT系の職種ではないのですが、最近のビジネスシーンでは「非IT系の職種でも、相当ITに強い必要がある」とつくづく感じています。「エクセルの関数が使える」くらいでは、もはやスキル不足なのです。


 山田宏哉記



 2010.8.26
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