ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2687)

 NHKスペシャル「消えた高齢者“無縁社会”の闇」覚書

 NHKスペシャル「消えた高齢者“無縁社会”の闇」(2010年9月5日放送)を視聴しました。近頃、問題になっている"消えた高齢者"の原因を追究した番組です。考えさせられる点が多々ありました。

 まず「住民票と実際に住んでいる場所が違う」というのは、よくあることです。

 僕自身、学生時代から東京や神奈川に住んでいますが、住民票は一貫して埼玉県の実家の住所に残したままです。ですので行政は、僕が普段、生活している場所を把握していないと思います。

 それ以上に気になるのが、山谷や釜ヶ崎に行くと、ホームレスや路上生活者たちが溢れていることです。あのような環境で長生きできるとは思えません。仮に彼らが死体となって発見されたとしても、行政が身元を把握できないでしょう。

 「消えた高齢者」の中に、そのような人々が数多く含まれているのは、おそらく間違いないでしょう。

 いまや日本は、路上で浮浪者が野垂れ死ぬ国です。大多数の人が「見て見ぬ振り」をしているうちに、じわじわと僕たちの足元をも浸食してきています。

 僕は、高齢者の死亡届を出さずに年金を「不正受給」する家族たちを批判する気にはなれません。諸般の事情で働けない人もいます。

 個人的には、国家として、働かない国民に対しても「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するくらいのことはしてもいいと思っています。

 もしかしたら、国家が国民全員にマイクロチップを埋め込んで、リアルタイムで脈拍や生体反応を確認していた方がいいかもしれません。状況はそれくらい逼迫しているように思います。

 僕自身はそんな"監視国家"に住むのは御免ですが、多くの人にとってはその方が安心して暮らせるような気がします。

 波頭亮(著)『成熟日本への進路』でも指摘されていましたが、日本はセーフティネットを拡充し「弱者救済」の方向に舵を切るべきだと思います。いずれにせよ、路上でバタバタと人が野垂れ死ぬ国が、素晴らしいわけがありません。


 山田宏哉記

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 2010.9.11
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