ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2702)

 子供は「人のモノを盗んではいけない」と理解できるか

 なぜ、万引のような犯罪に走る人がいるのでしょうか。

 経済合理性からしても、窃盗をするのは、バカとしか言いようがありません。メリットがほとんどない上に、発覚した時に失うものが大きすぎます。

 おそらく、「スリル」が目的なのでしょう。

 以前、「なぜ人を殺してはいけないのか」という問に対して、「自然発生的な人間の秩序に反するから」と回答しました。

 ただし、言葉で明確に表現することはできなくても、ほとんどの人は、暗黙のうちに善悪の判断ができています。

 しかし、「人のモノを盗んではいけない」くらいの重さでは、必ずしも本能的に善悪の判断がつかない場合があるようです。

 特に子供は「人のモノを盗んではいけない」ということを本能的に理解できないものです。これは教育の賜物です。振り返ると、幼い頃、万引きをしていたのは、恵まれない家庭環境の子供たちでした。

 僕自身は、幼い頃、幼稚園のビー玉の類をポケットに入れて家に持って帰ってきたことがありました。これが物凄く母親に怒られました。その日のうちに幼稚園の先生の所に謝罪に連れていかれました。

 この対応は正しかったと思います。今でもよく覚えていて、実際、僕は一度も万引きをしたことがない。

男の子は案外、親の知らない所で、万引きをしたり、友達のモノを盗んだりしていることがあります。特に周囲と比べてお小遣いの額が少なかったりすると、窃盗のインセンティブが働きやすいものです。

 幼い頃、僕もある友達と遊ぶと、決まって何かがなくなったものです。駄菓子屋のおばちゃんも彼を「要注意人物」としてマークしているようでした。その後、彼は「不良」になりました。

 人を殺せるようになるためには専門的な訓練が必要です。だから、敢えて「人を殺してはいけない」と教える必要はない。しかし、人のモノを盗まないためには、教育が必要なのです。

 山田宏哉記

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 2010.9.27  記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ