ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2704)

 民間企業の平均年収406万円をどう見るか

 2010年9月29日付の日経新聞に「民間給与最大の23万円減、昨年406万円、89年水準に」という見出しの記事が載りました。国税庁の民間給与実態統計調査の結果です。

 「厳しい時代になった」というのが一般的な見方でしょう。この額より上の人は胸を撫で下ろし、下の人はショックを受けるかもしれません。

 但し、世界基準で見れば、単純労働者の年収は2万ドル前後が相場なので、賃金の下落傾向はこれからが本番だと思います。

 これはある程度以前から予見できていたことです。

 大前研一(著)『即戦力の磨き方』(PHPビジネス新書)では、世界基準で生き残るビジネスパーソンになるなら、20代で国際的に通用する実力をつけ、30代で社長を目指すべきという話が展開されています。

 そして、「大半の日本人の仕事ぶりでは年収200万円が相場」と指摘されています。実際、ごく近い将来、日本人は中国人上司の下で年収2万ドル程度で働くのが普通になると思います。

 僕自身、冷静に自分の技能を査定すると、雇用契約先から給料を貰い過ぎていると思います。

 世界基準での僕の市場価値は、年収3万ドルいけば御の字でしょう。英語での意思疎通に支障があるので、厳しく言えば「サル同然」です。

 しかし、実際には今回の国税庁調査の平均額以上を貰っています。要するに「日本に住む日本人であるという既得権益」の上に乗っかっているだけのことです。世界水準では通用しない"ガラパゴス人材"に過ぎません。

 元来、報酬は貢献度合のみによって決まるのが公平で、年齢も性別も国籍も関係ありません。僕たちはまず、ここから話を始めなければなりません。

 最近では、夫よりも妻の方が稼ぎが良いケースが普通にあります。「男の沽券」とか言っている人々にとっては、厳しい時代になりました。かく言う僕も、月収で妹に追い抜かれようとしています。

 "安月給"を嘆くのは、そろそろ止めにしなければなりません。例えば、掃除や皿洗いの仕事に対して時給\1,000を払うのは、世界基準で見れば破格の高待遇です。

 労働生産性の低い日本人が、現在の仕事ぶりで、現在の報酬を手にするのは、大抵、"給料の貰い過ぎ"なのです。

 繰り返しますが、日本のサラリーマンの平均年収は、"単純労働者の相場"である年収2万ドルに向かっていくでしょう。そして、英語を話せない日本の中間管理職は一掃され、代わりに中国人がとって代わる。

 以上、大きく見れば、この流れは変えられないでしょう。

 
 山田宏哉記



 2010.10.2
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