ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2716)

 自分の居場所を確保すること

 新しい分野の仕事に取り組み始めて、2週間が経ちました。

 当初は、10月中は勉強に専念し、その後、徐々に実務を覚えていくという予定でした。

 知識がないと仕事にならない分野なので、ここは仕方ありません。「その分、電話番やコピー取りを一生懸命します」というのは、心掛けとしては立派です。そうすれば、仕事をしているようにも見えます。

 但し、僕の時給で電話番やコピー取りに専念するのは、おそらく経済合理性に反しています。いわば「試験勉強の前の掃除」です。

 ここは、おとなしく勉強に専念するべき時でした。だから、勤務時間の内外を問わず、真面目に勉強しました。具体的には仕事+勉強で1日16時間です。今まで通りと言えば、今まで通りです。

 その結果、予定期間の約半分で、実務に絡むことができるようになりました。これで「自分の居場所」を確保できたので、少し安心しました。

 さて、職場や担当分野が変わった時にまずすべきことは、「自分の居場所を確保すること」なのだと思います。

 より具体的に言えば、周囲から自分の能力を認められ、発言権と影響力を持つこと。この基準に達しないと、仕事に面白みを感じることは難しいと思います。

 まずは、この一線を超えることを最優先課題にする。

 自分で言うのも何ですが、実生活での僕の発言は、比較的、真剣に聞いてもらえていると思います。「だからこそ、仕事がおもしろい」という面はあります。これは公式な地位とは必ずしも関係がありません。

 もっとも、難易度が高い仕事をクリアすると、更に難易度の高い仕事が降ってきます。上司の視点からすれば、部下にできるか、できないか、ギリギリの線の仕事を振るのが育成の面から見ても合理的でしょう。

 無茶苦茶な案件が舞い込むのは、能力を認められている証拠でもあります。本来はそのことに矜持を持つべきなのでしょう。

 いずれにせよ、まずは自分の居場所を確保する。もちろん、これは何もビジネスに限った話ではなく、学校や大学でも同じことです。居場所の確保は、人間以外の動物にとっても根源的なことです。

 こういうことは、あまり表立って言われることはありませんが、仕事で勝負していれば自ずと気付くもののようです。

山田宏哉記

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 2010.10.15 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ